公認心理師 過去問
第4回(2021年)
問129 (午後 問129)

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問題

公認心理師試験 第4回(2021年) 問129(午後 問129) (訂正依頼・報告はこちら)

心理検査結果を報告する際の対応として、不適切なものを1つ選べ。
  • クライエントが得意とする分野も記載する。
  • 報告する相手によって、伝え方を工夫する。
  • クライエントが検査を受ける態度から推察できることを記載する。
  • 検査の記録用紙をコピーしたものを、そのままクライエントに渡す。

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この過去問の解説 (3件)

01

心理検査結果を報告するためには、まずどのような心理検査を行ったのか、その目的、および検査を受けた人の同意が必要です。

また、心理検査結果は個人情報に該当するため、適切な保護措置を講じる必要があります。

選択肢1. クライエントが得意とする分野も記載する。

報告書には、検査結果に基づくアドバイスや支援策が含まれることが望ましいです。

例えば、問題点や課題に対して、改善や対処方法を提案したり、必要に応じて専門家への紹介を行ったりします。

選択肢2. 報告する相手によって、伝え方を工夫する。

まず、検査を受けた人から報告書作成に同意を得る必要があります。

同意を得た場合、報告書には必ず同意が得られた旨が明記されます。

それは子どもに対して行われた場合も同様ですが、あまりにも年齢が幼い、理解が困難な場合には保護者の責任の下で本人の同意なく保護者に伝えることがあります。

そのため検査が報告する相手によって有益になる必要があるので、検査の結果の内容が変わらない程度に工夫して伝える必要があります。

選択肢3. クライエントが検査を受ける態度から推察できることを記載する。

必ずしも検査だけで結果が決まるわけではありません。

ウェクスラー検査などは検査時の様子、服装や態度なども記載し分析する必要があります。

選択肢4. 検査の記録用紙をコピーしたものを、そのままクライエントに渡す。

検査の記録用紙からも、検査の内容を類推できます。

それは検査の内容をそのまま伝えてしまうと著作権に違反するだけではなく、それを見ることによって正確な検査データが反映できなくなります。

また、近年では自分でインターネットを使って検査結果を調べる自己診断が出来るようになりました。

必ずしも正しい情報ではない内容に翻弄されてしまうので、そのまま結果を渡すのはNGです。

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02

心理検査についての問題です。検査者は検査を受ける方に対して、十分な説明と受検の許可を得ること、受検を途中で中止したとしても不利益を被らないことなど、丁寧な対応が必要となります。

検査結果の報告に際しても、受検する方に対する配慮が必要です。

選択肢1. クライエントが得意とする分野も記載する。

クライエントが得意なことや、検査上で比較的よく取り組めるものに対する記載をすることにより、クライエントにフィードバックを行うときにも重要な情報になり得ます。

選択肢2. 報告する相手によって、伝え方を工夫する。

報告する相手がクライエントやその家族の場合、専門用語など難易な言葉は用いず所見を作成したり、文章を言い換えたりすることで、わかりやすく伝わります。

選択肢3. クライエントが検査を受ける態度から推察できることを記載する。

緊張している、不安に見えるなど、クライエントがどのような場面でそうなりやすいか、どんなことを考えていそうかを推察することにより、クライエントに対する理解が深まり、検査の解答だけでなく、クライエントの情報をより広くとらえることができます。

選択肢4. 検査の記録用紙をコピーしたものを、そのままクライエントに渡す。

不適切です。様々な観点から(著作権上、倫理上、情報漏洩等)検査用紙をコピーし手渡すことは禁忌です。検査に関する情報が多く掲載されていること、検査者がクライエントをどう捉えているかなどをメモしている場合、クライエントが知ってしまうと不利益が生じることがあるためです。

また、第三者への譲渡が考えられることや、他者から勝手な解釈をされる恐れがあります。

 

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03

正答は検査の記録用紙をコピーしたものを、そのままクライエントに渡す。」です。

選択肢1. クライエントが得意とする分野も記載する。

検査結果は、クライエントの不得意なところばかりを記載するのではなく、得意なところも記載する必要があります。

得意なところを伸ばすことが問題克服につながることもありますし、逆に得意なところが問題克服の足かせになっていることもあるからです。

よって本肢は適切です。

選択肢2. 報告する相手によって、伝え方を工夫する。

クライエントに報告する場合と、他機関等の依頼主に報告する場合では、伝え方が異なります。

クライエントに報告する場合は、どう捉えるかに配慮し、今後の成長に生かせるような形で伝える必要があります。

一方他機関などに依頼されて検査した場合は、その依頼内容に応じたものを報告書として提出する必要があります。

よって本肢は適切です。

選択肢3. クライエントが検査を受ける態度から推察できることを記載する。

受検時に投げやりな態度であった場合、当然検査結果に影響を与えます。

また、検査結果と検査を受ける態度に矛盾がある場合、その矛盾がクライエントの特徴や問題をよく表していることがあります。

よって、受検時の態度とそこから考えられることを記載し、報告に反映させることは大切です。

よって本肢は適切です。

選択肢4. 検査の記録用紙をコピーしたものを、そのままクライエントに渡す。

検査の記録用紙には検査内容が含まれていることが多く、著作権の問題がありますし、クライエントやそれを見た第三者が自由な解釈をしてしまう恐れがあります。

よって本肢は不適切です。

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