公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午後 問140
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午後 問140 (訂正依頼・報告はこちら)
65歳の女性A、夫Bと二人暮らし。Aは、半年前から動作が緩慢となり呂律が回らないなどの様子がみられるようになった。症状は徐々に悪化し、睡眠中に大声を上げ、暴れるなどの行動がみられる。「家の中に知らない子どもがいる」と訴えることもある。Bに付き添われ、Aは総合病院を受診し、認知症の診断を受けた。
Aに今後起こり得る症状として、最も適切なものを1つ選べ。
Aに今後起こり得る症状として、最も適切なものを1つ選べ。
- 反響言語
- 歩行障害
- けいれん発作
- 食行動の異常
- 反社会的な行動
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この過去問の解説 (2件)
01
事例の女性Aの「動作が緩慢」「呂律が回らない」「睡眠中に大声」「暴れる」「家の中に知らない子どもがいる」(幻覚)という症状から、レビー小体型認知症の可能性が高いと考えられます。レビー小体型認知症の中核症状は主に、顕著な変化を伴う認知の変動、繰り返し現れる具体的な幻視、パーキンソン症状、レム睡眠行動障害の4つです。アルツハイマー型認知症よりも進行速度は早めで、初期は認知機能の調子が良いときと悪いときを繰り返しますが、中期になると悪化している時間帯が長くなってきます。またパーキンソン症状が悪化し、サポートなしでは歩行困難になることが多いですから、歩行障害が適切です。他の選択肢の症状が現れる可能性もありますが、頻度が低いので、最も適切な選択肢としては選びません。
試験対策として、反響言語はアルツハイマー型認知症、けいれん発作はてんかん、脳血管性認知症、食行動の異常は前頭側頭型認知症、反社会的な行動は前頭側頭型認知症において、呈しやすいと覚えておくとよいでしょう。
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02
認知症とは、記憶力や認知機能、言語機能などが障害を起こす病気の総称であり、様々な種類があります。
代表的な認知症の種類は以下の通りです。
① アルツハイマー型認知症:中高年以降に発症し、徐々に認知機能が低下するタイプの認知症で、記憶力の喪失が特徴的です。
② 脳血管性認知症:脳卒中や脳梗塞、脳出血などが原因で発症し、突然の記憶喪失や片麻痺などが現れることがあります。
③ レビー小体型認知症:視覚障害、幻覚、錯乱などの症状が現れるタイプの認知症で、中高年以降に発症することが多いです。
④ その他の認知症:前頭側頭型認知症、パーキンソン病型認知症、アルコール性認知症、外傷性脳損傷後認知症などがあります。
本問においては、レビー小体型認知症の可能性があるので、それに対応した選択肢を選んでいく必要があります。
アルツハイマー型認知症の患者さんは、認知機能の低下により、日常生活に必要な言語機能にも影響を受けることがあります。
その中で反響言語が特徴として挙げられるので、誤りです。
レビー小体型認知症の患者さんには、認知症の症状に加えて、運動症状が見られることがあります。
その中でも、歩行障害がよく報告されています。よって正解です。
脳血管性認知症の患者さんには、けいれんを伴う場合があります。
脳血管性認知症は、脳卒中などの血管の問題が原因で起こる認知症であり、血管の障害により脳内の神経細胞がダメージを受けます。
脳血管性認知症においては、脳の神経細胞がダメージを受けることにより、けいれんを発生することがあります。
よって誤りです。
前頭側頭型認知症の患者さんには、食行動の異常が見られることがあります。
前頭側頭型認知症は、前頭葉と側頭葉に障害があることによって引き起こされる認知症であり、認知機能の低下や行動の変化などが見られます。
よって誤りです。
この選択肢も、ほかの選択肢と同様に前頭側頭型認知症に多いケースです。
前頭側頭型認知症は、前頭葉と側頭葉に障害があることによって引き起こされる認知症であり、認知機能の低下や行動の変化などが見られ、反社会的な行動を行うことがあります。
よって誤りです。
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