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公認心理師の過去問 第4回(2021年) 午後 問150

問題

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20歳の男性A、大学1年生。Aは、大学入学時に大学の雰囲気になじめずひきこもりとなった。大学の学生相談室への来室を拒否したため、Aの両親が地域の精神保健福祉センターにAのひきこもりについて相談し、両親が公認心理師Bと定期的な面接を行うことになった。面接開始後、1年が経過したが、Aはひきこもりのままであった。Aは、暴力や自傷行為はないが、不安や抑うつ、退行現象がみられている。留年や学業継続の問題については、両親が大学の事務窓口などに相談している。最近になり、両親が精神的な辛さを訴える場面が多くなってきている。
BのAやAの両親への支援として、不適切なものを1つ選べ。
   1 .
自宅訪問を行う場合、緊急時以外は、家族を介して本人の了解を得る。
   2 .
ひきこもりの原因である子育ての問題を指摘し、親子関係の改善を図る。
   3 .
家族自身による解決力を引き出せるよう、家族のエンパワメントを目指す。
   4 .
家族の話から、精神障害が背景にないかを評価する視点を忘れないようにする。
   5 .
精神保健福祉センターや大学等、多機関間でのケース・マネジメント会議を行う。
( 公認心理師試験 第4回(2021年) 午後 問150 )
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この過去問の解説 (2件)

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厚生労働省が策定した「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」は、ひきこもり状態にある人々を支援するための指針となるものです。具体的な支援方法や評価方法についてまとめられています。

このガイドラインでは、ひきこもり状態にある人々を支援するためには、まずその人々の立場や思いを理解し、個別の支援プランを立てることが重要だとされています。また、ひきこもり状態にある人々の特性や、家族や周囲の人々との関係性に着目した支援が求められます。

ガイドラインでは、ひきこもり状態にある人々に対して、自己肯定感を高める支援や、社会参加のための支援、家族との関係改善のための支援など、多岐にわたる支援が提唱されています。また、支援にあたっては、地域の支援機関や専門家との連携が不可欠だとされています。

 この点を踏まえて問題を読み解いていきます。

選択肢1. 自宅訪問を行う場合、緊急時以外は、家族を介して本人の了解を得る。

訪問することを事前に家族や当事者に伝えることは重要です。本人の了解を得ずに行う訪問は、本人のパーソナルスペースを安易に侵すことに繋がり、支援の手が切れることがあります。緊急時にはその限りではなく、本人の生命の尊重が第一です。よって、本肢は適切です。

選択肢2. ひきこもりの原因である子育ての問題を指摘し、親子関係の改善を図る。

子育ての問題がひきこもりの原因となっているのか分からないですし、仮にそうであっても安易に指摘することは、家族の否定に繋がり支援が上手くいかなくなります。よって本肢は不適切です。

選択肢3. 家族自身による解決力を引き出せるよう、家族のエンパワメントを目指す。

ガイドラインに親のエンパワーメントがある程度進んでこそ、親は当事者の養育過程での苦い体験や、それに関わる自らの特性について率直に話題にできる、とあります。支援者は、親は罪悪感によって子どもを支えることは長続きせず、より否定的な結果に結びつきやすくなってしまいます。親が支援者の一人として自信を持って本人と対応していくことが重要です。よって、本肢は適切です。

選択肢4. 家族の話から、精神障害が背景にないかを評価する視点を忘れないようにする。

精神障害だけでなく、過去の大学までの学校での様子や家庭での様子を聞くことは重要です。発達特性も併せて、吟味する必要があります。本誌は適切です。

選択肢5. 精神保健福祉センターや大学等、多機関間でのケース・マネジメント会議を行う。

ガイドラインにも、多職種他機関が情報を持ち寄り、本人へのサポートを多面的に行うことの重要性が説かれています。よって適切です

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厚生労働省「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」を参考に、解説します。

選択肢1. 自宅訪問を行う場合、緊急時以外は、家族を介して本人の了解を得る。

自宅を訪問するときは、訪問することを事前に家族や当事者に伝えることが重要です。本人の了解を得ずに行う訪問は、緊急の必要性があるときに限定されます。よって、本選択肢は適切です。

選択肢2. ひきこもりの原因である子育ての問題を指摘し、親子関係の改善を図る。

上記ガイドラインの中に「家族に対する個別面談で重要なことは、養育をめぐる親の失敗や責任を探索し暴くことではなく、何が起きているのか、そして今どうすべきかを中立的に考えることのできる落着きと心の余裕を得ることができるよう支援することです」とあります。よって、本選択肢は不適切です。

選択肢3. 家族自身による解決力を引き出せるよう、家族のエンパワメントを目指す。

上記ガイドラインの中に「親のエンパワーメントがある程度進んでこそ、親は当事者の養育過程での苦い体験や、それに関わる自らの特性について率直に話題にできるのです。支援者が忘れてならないことは、親は罪悪感によって子どもを支えることはできないということです。めざすべきは、親が支援スタッフとしての誇りと自信を持って当事者のひきこもりに伴走でき、支援できる心境になることではないでしょうか」とあり、両親としか面接できない現状において、両親のエンパワメントは必須です。よって、本選択肢は適切です。

選択肢4. 家族の話から、精神障害が背景にないかを評価する視点を忘れないようにする。

ひきこもりだからと言って精神疾患を抱えているとは限りませんが、精神疾患があるとひきこもりになりやすいことことは事実です。家族からの話で精神疾患が疑われる場合、状態によっては素早く受診につなぐ必要があります。よって、本選択肢は適切です。

選択肢5. 精神保健福祉センターや大学等、多機関間でのケース・マネジメント会議を行う。

上記ガイドラインの中に「各機関の実務者が集まって実際に現在対応が難しくなっている事例を検討し、支援の方針を出し、その支援に現在関与している機関と連携する機関を明らかにすることを目指すケース・マネージメント会議が必ず存在しなければなりません」とあります。本選択肢は適切です。

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