公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午後 問153
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午後 問153 (訂正依頼・報告はこちら)
40歳の男性A、会社員。Aは、まじめで責任感が強く、人望も厚い。最近、大きなプロジェクトを任された。それにより、Aは仕事を持ち帰ることが増え、仕事が気になり眠れない日もあった。納期直前のある日、他部署から大幅な作業の遅れが報告された。その翌日、Aは連絡なく出勤せず、行方不明になったため、捜索願が出された。3日後、職場から数十km離れたAの実家近くの駅から身分照会があり発見された。Aはこの数日の記憶がなく、「気がついたら駅にいた。会社に迷惑をかけたので死にたい」と言っているという。
会社の健康管理部門のAへの対応として、誤っているものを1つ選べ。
会社の健康管理部門のAへの対応として、誤っているものを1つ選べ。
- 安全の確保を優先する。
- できるだけ早期に健忘の解消を図る。
- 専門医に器質的疾患の鑑別を依頼する。
- 内的な葛藤を伴っていることに留意する。
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この過去問の解説 (2件)
01
従業員に対して会社の健康管理部門としての対応について問われている問題です。
適切です。従業員Aの命や安全の確保が最優先です。
不適切です。
健忘の解消を図ることは重要ですが、健忘の原因など十分に検証する必要があります。
適切です。
健忘の原因が何であるか、器質的疾患との鑑別も必要です。
適切です。
設問中の「Aは仕事を持ち帰ることが増え、仕事が気になり眠れない日もあった。」という記述から、内的な葛藤があったと考えられます。
働く人のこころの健康問題に関する問題です。
厚生労働省「こころの耳」なども見ておくと良いでしょう。
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02
この事例の男性Aには、健忘の状態が見られています。
健忘とは、何かきっかけとなる出来事からしばらくの間の出来事や体験を思い出せない状態を言います。
男性Aは、職場での大幅な作業の遅れの報告があった後、数日間の記憶がないと話しています。
この状況では、男性Aの命、安全を守る事が最優先と考える事ができます。
では、会社の健康管理部門の対応について、選択肢を見てみましょう。
適切な対応です。
男性Aは、記憶を失くしていますが、数十㎞離れた場所まで移動しています。
突発的に危険な行動をする事も心配されますので、安全に過ごせるような対策をとる事が重要です。
不適切な対応です。よって、この問題では正答となります。
健忘は、頭部外傷などの外的な要因によって起こる事がありますが、大きなストレスなどの心理的な事が要因となる場合があります。
事例の状況を見ると、責任感の強さから仕事に大きなストレスを感じていた事が予想されますが、外的な要因の可能性を否定できる状況でもありません。
健忘の解消を急ぐよりも、現在の男性Aの身体の状況を理解する事、安全を守る事が優先と考えられます。
適切な対応です。
健忘は、頭部外傷などの外的な要因によって起こる事がありますが、大きなストレスなどの心理的な事が要因となる場合があります。
事例の状況を見ると、責任感の強さから仕事に大きなストレスを感じていた事が予想されますが、外的な要因の可能性を否定できる状況でもありません。
現段階では、明確な理由がわからないため、器質的な疾患について医師の診察を受ける事も必要です。
適切な対応です。
男性Aは、まじめで責任感が強い様子ですが、仕事を持ち帰る、仕事が気になり眠れないなど、働き方としては不健康な状態にあったと考えられます。
さらに、作業の遅れという困難な状況が起きており、男性Aの中には様々な葛藤が生じている事が予想されます。
その心情を推測しながら、対応する事が重要です。
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