公認心理師 過去問
第1回 追加試験(2018年)
問32 (午前 問32)
問題文
知能とその発達について、誤っているものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第1回 追加試験(2018年) 問32(午前 問32) (訂正依頼・報告はこちら)
知能とその発達について、誤っているものを1つ選べ。
- 知能指数とは一般的に「精神年齢÷生活年齢×100」の値を指す。
- 流動性知能は主に神経生理学的要因の影響を受けて形成される。
- 知能は全般的に青年期前期にピークに達し、その後急速に衰退する。
- 結晶性知能は主に経験や教育などの文化的要因の影響を受けて形成される。
- 知能の発達曲線は横断研究と縦断研究のデータで大きく食い違うことがある。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は3です。
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02
正解は3です。
1.→〇
田中ビネーなどはこの方法でIQを算出します。精神年齢(MA:検査によって測定された精神年齢)÷生活年齢(CA:対象の実際の年齢)×100=知能指数(IQ)が算出されます。
2.
新しい場面への適応に必要な流動性知能は神経生理学的な発達をします。
3.→✖
流動性知能は20代でピークを迎え、その後衰退します。しかし、経験や学習によって蓄積される結晶性知能は20代以降も上昇します。
4.→〇
上述のとおり、結晶性知能は経験や学習によって蓄積されますので、文化的要因の影響を受けます。
5.→〇
横断研究とは、一度に異なる年齢の対象を調査し、各年齢の対象の間の発達変化を研究することです。縦断研究とは対象を継続的に研究することです。そのため、時代背景などの影響から同じ年齢でも研究の方法によって差が生じます。
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03
知能に関する知識が問われています。
クライエントの知能についてアセスメントすることは欠かせない要素の一つですので、基本的な知識をしっかり学んでおくことが大切です。
では、選択肢を見てみましょう。
この問題は次の文献を参考に解説しています。
「はじめて出会う心理学(有斐閣アルマ)」
「発達心理学の基礎Ⅱ(ミネルヴァ書房)」
適切な説明です。
知能指数(IQ)は「精神年齢÷生活年齢×100」のように算出します。
田中ビネー式知能検査では、Ⅴ(ファイブ)まではこの算出方法が用いられていましたが、2024年に改訂されたⅥ(シックス)からは偏差知能指数(DIQ)が用いられるようになっています。その違いや算出方法など、新しい情報にも目を向けておきましょう。
適切な説明です。
流動性知能とは、推論、思考能力、記憶力など、あらゆる場面に対応するための問題解決能力を言います。新しい状況へ適応するような場面で用いられます。
思考や記憶などの力が求められますので、神経生理学的要因の影響を受けると言えます。
不適切な説明であり、この問題での正答となります。
知能は、乳幼児期から児童期にかけて急激に発達し、青年期に入ると発達が緩やかになると言われています。その後、急速に衰退することはなく、緩やかに上昇を続けていくと考えられています。
乳幼児期から青年期までは、新しい知識や技術を次々に獲得する時期であり、知能も急激に伸びると言えます。ただし、それ以降もその知識や技術に磨きがかかったり、より専門的な知識を得たりしますので、知能という点でも急速に衰退するということではありません。
適切な説明です。
結晶性知能とは、経験や学びを通じて習得された知識を言います。どのような環境で何を学んだかによって形成される事柄が変わりますので、文化的要因の影響を受けて形成されると言えます。
適切な説明です。
横断研究とは、ある時点での集団についてデータを収集し検討する方法です。
縦断研究とは、長い期間に渡って、同じ対象者から繰り返しデータを収集し検討する方法です。
知能の発達は、どのような環境でどのような刺激を受けて育つかによって、習得している知識や技術、習得までの手段やスピードなどに違いが出ると考えられます。よって、横断研究と縦断研究ではデータが大きく食い違うことがあると考えられます。
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