公認心理師 過去問
第1回 追加試験(2018年)
問33 (午前 問33)

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問題

公認心理師試験 第1回 追加試験(2018年) 問33(午前 問33) (訂正依頼・報告はこちら)

高齢期に関する理論とその理論が重視する高齢期の心理的適応の組合せについて、誤っているものを1つ選べ。
  • 活動理論 ―――――――――――――――― 中年期の活動水準を維持すること
  • 離脱理論 ―――――――――――――――― 社会的活動から徐々に引退すること
  • 老年的超越論 ―――――――――――――― 物質的で合理的な世界観を捨て、宇宙的な世界観を持つこと
  • 社会情緒的選択理論 ――――――――――― 情緒的安定のために他者からの知識獲得を行うこと
  • 補償を伴う選択的最適化<SOC>理論 ――― 喪失を補償すべく領域を選択し、そこでの活動を最適化すること

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

  1. 1. 活動理論とは、高齢期においても中年期と同様の心理社会的活動を継続することです。
  2. 2. 離脱理論とは活動理論と逆に、若い世代の人々に自らの地位や権力を譲って社会から身を引く考え方です。
  3. 3. 老年期超越論とは、老いとともに生物学的には衰えていくものの、世俗的な価値観から離れ、生死を超えた宇宙の一部として存在するという考え方です。
  4. 4. 社会情緒的選択理論とは、限られた時間や体力の中でやりたいことをやって情緒的に満たされることを目指すという考え方です。他者からの知識獲得ではないので、これが誤りです。
  5. 5. SOC理論とは、老いによる心身の限界を踏まえた上で、他の資源で補いながら効率よく目標を達成する考え方です。

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02

正解は4です。

1.→〇

活動理論の説明です。中年期の活動水準を維持することで、生涯現役で活動し続けることができ幸福に繋がるとする理論です。

2.→〇

カミングヘンリーによる離脱理論の説明です。活動理論とは対立する考えで、適切に引退することが幸福に繋がると考える理論です。

3.→〇

宇宙的な世界観といわれると難しいですが、のように超個人的な価値観を持つことが幸福に繋がるとする理論です。

4.→✖

社会情緒的選択理論とは、余生の時間を考えると知識を獲得することより情緒的に満足を求めるようになることです。

5.→〇

バルテスによるSOC理論の説明です。

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03

心理学では、高齢期の発達や心理状態について様々な理論があります。

 

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. 活動理論 ―――――――――――――――― 中年期の活動水準を維持すること

適切な説明です。

活動理論は、ハヴィガーストが提唱したものです。中年期の活動を維持することを望ましい老化と考え、重要視しています。

選択肢2. 離脱理論 ―――――――――――――――― 社会的活動から徐々に引退すること

適切な説明です。

離脱理論は、カミング、ヘンリーらによる理論です。高齢になると、社会的な活動から身を引きたくなることが自然であり、それができる社会にしていくことを主張しています。

選択肢3. 老年的超越論 ―――――――――――――― 物質的で合理的な世界観を捨て、宇宙的な世界観を持つこと

適切な説明です。

老年期超越論は、トレンスタムによる理論です。85歳を超える高齢者になると、宇宙的、超越的な世界観に変わっていき、それらが幸福や心の成長につながるとされています。

選択肢4. 社会情緒的選択理論 ――――――――――― 情緒的安定のために他者からの知識獲得を行うこと

不適切です。

社会情緒的選択理論は、カーステンセンによる理論です。高齢になると、自分の持っている知識や技術などを、情緒的に満足できるような目標や活動に注ぎ込んでいくと考えるものです。

選択肢5. 補償を伴う選択的最適化<SOC>理論 ――― 喪失を補償すべく領域を選択し、そこでの活動を最適化すること

適切な説明です。

補償を伴う選択的最適化理論は、バルテスによるものです。高齢になり喪失するものが増えていきますが、自身の持っている資源を上手く使ったり、他者からの援助を受けたりして最適化していくという考え方です。

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