公認心理師 過去問
第1回 追加試験(2018年)
問34 (午前 問34)

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問題

公認心理師試験 第1回 追加試験(2018年) 問34(午前 問34) (訂正依頼・報告はこちら)

心理アセスメントについて、不適切なものを1つ選べ。
  • アセスメント面接では構造化されていない自由面接を用いる。
  • アセスメント面接は一般に治療的面接を開始する前に行われる。
  • クライエントのリソースや強みなど肯定的心理的特徴も見定める。
  • クライエントの問題を包括的に捉えるためにテストバッテリーを組む。
  • クライエントの許可を得たうえで、必要に応じて関係者から情報を収集する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

1.→✖

構造化された面接を構造化面接、構造化されていない面接を非構造化面接、あらかじめ質問などを用意しておいて臨機応変に変容しながら行う面接を半構造化面接といいます。アセスメント面接で良く用いられるのは半構造化面接です。自由に語ってもらう必要もありますが、治療において必要な情報も聞けるような構造の面接が望ましいです。

2.→〇

アセスメント面接は治療的面接を始める前に、面接が必要かどのようなことで困っているのか面接でできることは何かなど見立てるために行います。もちろん、アセスメントは治療的面接が開始されても行い、適宜修正をします。

3.→〇

困っていることや、その要因となっているクライエントの特徴に注目しやすいですが、クライエントの心の健康な面も目を向けるようにしましょう。

4.→〇

アセスメント面接の段階で、アセスメントを深めるために心理検査が行われることは多いです。テストバッテリーを組んで検査を行うことで、とらえきれていない面を知ることができます。

5.→〇

関係者からクライエントのことを聞くには、クライエントの許可が必要になります。クライエントの許可を得ることができれば、支援において連携も取りやすくなるでしょう。

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02

正解は1です。

  1. 1. アセスメント面接は通常、質問を用意した上でクライエントの状態に合わせて柔軟に対応する「半構造化面接」を用います
  2. 2. アセスメント面接でクライエントの状態をある程度把握した上で、治療的面接を始めます。
  3. 3. クライエントの抱える問題のみならず、リソースや強みを見定めることで、問題を解決するヒントを探ります
  4. 4. アセスメントの中には心理検査も含まれます。心理検査では、いくつかのテストを組み合わせることでクライエントの問題を立体的に把握することが大切です。
  5. 5. クライエントが知的に問題を抱えていて言語化が難しい場合や、クライエントが未成年の場合、家族や同居者などの関係者に尋ねる場合があります。ただしその場合、あらかじめ「クライエントの許可を得る」ことが必要です。

参考になった数1

03

心理アセスメントとは、心理援助を行う際に、クライエントの心身の状態や性格、取り巻く環境などを理解することを言います。面接だけでなく、心理検査を用いたり、関係する人から情報を得たりする場合もあります。

 

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. アセスメント面接では構造化されていない自由面接を用いる。

不適切です。

アセスメント面接では、クライエントの情報を広く聴き取ることが必要です。そのためには、尋ねる内容や知りたい情報を整理し、カウンセラー側が部分的に構造化して面接を進める必要があります。クライエントが話したい様子であれば、自由に話してもらうタイミングを設けながらも、必要な情報を得ていくことが大切です。

選択肢2. アセスメント面接は一般に治療的面接を開始する前に行われる。

適切な説明です。

治療的な支援をする前に、クライエントについて理解しておく必要があります。クライエントとの関わりにおいて、初期の頃に実施することが求められます。

選択肢3. クライエントのリソースや強みなど肯定的心理的特徴も見定める。

適切な説明です。

クライエントの困っている事や表面的に見えることだけでなく、リソース(支援に使うことのできる資源)や得意な事などの前向きな部分も理解していくことが大切です。

選択肢4. クライエントの問題を包括的に捉えるためにテストバッテリーを組む。

適切な説明です。

クライエントの理解のために必要であれば、複数の心理検査を実施する(テストバッテリー)ことも検討します。ただし、心理検査の必要性やクライエントの健康状態を十分に考え、心理検査がクライエントの負担にならないよう配慮することも大切です。

選択肢5. クライエントの許可を得たうえで、必要に応じて関係者から情報を収集する。

適切な説明です。

クライエントの家族や社会的につながりのある人(学校の先生、職場の上司など)からの情報もアセスメントに活かされます。クライエント本人の感覚だけでなく、客観的な視点からの情報が得られると期待されます。また、その方達との関係性をアセスメントに加えることも大切です。

まとめ

心理アセスメントは公認心理師の仕事において重要な事の一つです。広い視野で冷静にクライエントを理解できるよう知識と技術を身につけていきましょう。

 

アセスメントの内容は、心理援助の過程で変わっていくこともあります。初めに正しいアセスメントをすることにこだわりすぎず、その時点で分かることを理解するように考えることが大切です。初めのアセスメントとの違いが出てきた時には、なぜそうなったのかを検討することで、さらにクライエントの理解が深まります。

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