公認心理師の過去問
第1回 追加試験(2018年)
午前 問51

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問題

公認心理師試験 第1回 追加試験(2018年) 午前 問51 (訂正依頼・報告はこちら)

感情の諸理論に関する説明について、適切なものを2つ選べ。
  • 戸田正直は、感情は迅速な環境適応のために進化してきたと唱えた。
  • S. Tomkinsは、血流変化によって感情の主観的体験が説明されると唱えた。
  • B. L. Fredricksonは、負の感情が注意、思考、活動等のレパートリーの拡大や資源の構築に役立つと唱えた。
  • R. B. Zajoncは、感情反応は認知的評価に先行し、感情と認知はそれぞれに独立した処理過程であると唱えた。
  • S. SchachterとJ. Singerは、環境の変化と身体活動の変化によって感情の主観的体験が説明されると唱えた。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は14です。

1.戸田正直が唱えたアージ理論のことです。アージ理論とは、感情は野生環境を生き残るために、ヒトが進化の過程で構築した行動を強力に動機づけるシステムと主張する理論です。

2.ザイアンスの唱えた顔面血流理論が近い理論です。鼻から吸い込んだ空気によって、脳血流が変化し主観的感情が説明できるというものです。例えば高温は不快を、低温は快をうみだします。

トムキンスが唱えたのは顔面フィードバック仮説です。表情筋の動きに関わる神経情報が脳にフィードバックされることで、主観的感情が生み出されるというものです。

3.フレデリクソンが唱えたのは拡張-形成理論というポジティブな感情体験がポジティブな行動や意思に繋がり、個人の資源が構築されるというものです。

4.ザイアンスは自身の唱えた単純接触効果から、認知していなくても感情が生じることから、感情と認知はそれぞれ独立したものであると唱えました。

5.シャクタ―とシンガーが唱えたのは情動の2要因説です。これは、情動が生じるためには刺激による生理的覚醒状態と、その状態に対する認知的解釈の2要因が必要とする説です。

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02

感情に関する理論についての問題です。

選択肢1. 戸田正直は、感情は迅速な環境適応のために進化してきたと唱えた。

適切です。戸田正直のアージ理論のことです。

選択肢2. S. Tomkinsは、血流変化によって感情の主観的体験が説明されると唱えた。

S. Tomkinsは、「顔面フィードバック仮説」を提唱した人物で、顔面筋肉の感覚が脳にフィードバックされることで感情が生じると考えました。設問分の血流の変化によって感情の主観的体験が説明されるとしたのは、R.B.Zajoncの「顔面血流説」です。

選択肢3. B. L. Fredricksonは、負の感情が注意、思考、活動等のレパートリーの拡大や資源の構築に役立つと唱えた。

「負の感情」ではなく、「ポジティブな感情」です。

選択肢4. R. B. Zajoncは、感情反応は認知的評価に先行し、感情と認知はそれぞれに独立した処理過程であると唱えた。

適切です。R.B.Zajoncの「単純接触効果」がこれにあたります。

選択肢5. S. SchachterとJ. Singerは、環境の変化と身体活動の変化によって感情の主観的体験が説明されると唱えた。

S. SchachterとJ. Singerは、情動は身体反応による生理的な喚起とその認識的な解釈(ラベリング)の相互作用によって生じるという「情動の二要因説」を唱えました。

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