問題
順唱6桁、逆唱5桁、リバーミード行動記憶検査標準プロフィール点9点、WAIS-Ⅲ:FIQ 82、VIQ 86、PIQ 78、遂行機能障害症候群の行動評価<BADS>総プロフィール得点20点、SDSうつ性自己評価尺度総得点30点。
検査所見により示唆される主たる障害として、最も適切なものを1つ選べ。
検査所見から示唆される障害について考える問題です。
リバーミード行動記憶検査は、記憶を評価する検査です。
標準プロフィール点9点以下の場合は、重度記憶障害となります。
34歳の会社員の標準プロフィール点は9点ですので、記憶障害が示唆されます。
WAIS-Ⅲにより知能障害について測ることができます。
FIQ82点は、「平均の下」の分類となります。
また、VIQとPIQに大きなディスクレパンシー(差異)は認められません。
このことから、知能障害ではないことが分かります。
順唱6桁、逆唱5桁という結果は、「平均よりやや上」の分類になります。
したがって、注意障害があるという結果ではありません。
抑うつ障害は、SDSうつ性自己評価尺度から測られます。
SDSうつ性自己評価尺度では、40点未満では抑うつの程度は低いとされます。
SDSうつ性自己評価尺度30点ということから、抑うつ障害の可能性は否定されます。
遂行機能障害とは、目標の設定や計画の立案、計画の実行、効果的な行動ができなくなった状態をいいます。
遂行機能障害群の行動評価〈BADS〉の総プロフィール得点は20点ですが、24点満点中の20点ということから、遂行機能障害とは考えにくいです。
正解は1です。
1.→○
リバーミード行動記憶検査の結果から考えます。
16点以下は中程度、9点以下は重度の記憶障害水準です。この方は、9点なので重度の記憶障害水準を示します。
2.→×
WAIS-Ⅲの結果から考えます。
IQ70以下から知的障害の診断がつく可能性が高くなります。この方のIQは高いとは言えませんが、知的障害の診断がつくほどではないです。
3.→×
数唱の結果から考えます。
順唱や逆唱から注意力がどれくらいあるか分かります。順唱6桁、逆唱5桁なので、注意力は概ね保たれているといえます。
4.→×
SDSの結果から考えます。
~39点が健常水準、40~49点が軽度水準、50点~中等度水準となります。
5.→×
遂行機能障害症候群の行動評価<BADS>の結果から考えます。
11点以下が障害があると判定されます。