公認心理師の過去問
第1回 追加試験(2018年)
午前 問69
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問題
公認心理師試験 第1回 追加試験(2018年) 午前 問69 (訂正依頼・報告はこちら)
9歳の男児A、小学校3年生。実父母から身体的虐待を受けて小学校1年のときに児童養護施設に入所した。入所当初は不眠、落ち着きのなさ、粗暴行為が見られたが、現在はほぼ改善し、日々の生活は問題なく過ごせるようになっている。実父母は施設の公認心理師との面接などを通して、暴力に頼ったしつけの問題や、虐待にいたるメカニズムを理解できるようになった。毎週の面会に訪れ、Aとの関係も好転している様子がうかがわれた。小学校3年になって、Aと実父母が家庭復帰を希望するようになった。
家庭復帰に関して施設が行う支援について、不適切なものを1つ選べ。
家庭復帰に関して施設が行う支援について、不適切なものを1つ選べ。
- 家庭復帰後の懸念される事態について児童相談所と話し合う。
- 実父母と子どもと一緒に、帰省や外泊の日程やルールなどを検討する。
- 週末帰省中に、再び実父母からの虐待が認められた場合には、家庭復帰については再検討する。
- 実父母が在住する市の要保護児童対策地域協議会でのケース検討会議の開催を、児童相談所を通して市に依頼する。
- 家庭復帰後は、施設措置が解除となり、市の要保護児童対策地域協議会の監督下に入るため、施設からの支援は終了する。
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この過去問の解説 (2件)
01
家庭復帰に関して施設が行う支援についての問題です。
家庭復帰後の懸念される事態について児童相談所と話し合うことは、適切です。
復帰後に再び虐待が起きないように、入所中の面会や外泊時の様子等を確認し、見極めを行うことが重要です。
実父母と子どもと一緒に、帰省や外泊の日程やルールなどを検討することは、適切です。
子どもが家庭や地域で安全に暮らせる環境を整える必要があります。
再び実父母からの虐待が認められた場合には、家庭復帰については再検討することが必要です。
児童相談所と児童福祉施設は、家庭復帰に関して、慎重に決定を行うことが重要です。
児童相談所は、市町村と役割を分担してケースマネジメントを行う役割を担います。
男児Aの実父母が在住する市の要保護児童対策地域協議会でのケース検討会議の開催を、児童相談所を通して市に依頼することは、適切です。
家庭復帰後も一定期間は、施設から継続した援助を続けることが必要です。
最低6か月程度は、家庭の状況や男児Aの変化を把握することが必要です。
したがって、家庭復帰後すぐに施設措置を解除とするのは、誤りです。
経過が良好であれば、市町村の引き継ぎが可能です。
児童福祉施設入所措置等の解除については、児童虐待の防止等に関する法律 第13条を参照してください。
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02
正解は5です。
1.→適切
懸念される事態について話し合っておくことで、予防策を考えることができたり、実際に起こってしまったときの対処法を考えたりすることができます。
2.→適切
日程やルールを決めることで、双方の不安やリスクを減らすことができます。
3.→適切
再び虐待が認められた場合は、そのまま家庭復帰をさせるわけにはいきません。再び、検討し直す必要があるでしょう。
4.→適切
情報提供として必要です。
5.→不適切
復帰後も児童相談所のや施設からの支援が終了することはありません。
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