公認心理師の過去問
第1回 追加試験(2018年)
午前 問70

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問題

公認心理師試験 第1回 追加試験(2018年) 午前 問70 (訂正依頼・報告はこちら)

15歳の女子A、中学3年生。8歳で発達障害と診断されたが、Aの保護者はその診断を受け入れられず、その後Aを通院させていなかった。Aはクラスメイトとのトラブルが続き、半年前から学校への行きしぶりが続いている。Aの保護者は、学校のAに対する対応に不満を持ち、担任教師Bに協力的な姿勢ではなかった。Bの依頼を受けた公認心理師であるスクールカウンセラーが介入することになった。
A、Aの保護者及びBに対する支援として、不適切なものを1つ選べ。
  • Aに適した指導案をBに指示する。
  • 学校に対するAの保護者の気持ちを受け止める。
  • 学校全体で対応する視点を持つようにBに助言する。
  • Aの保護者とBに一般的な発達障害の特性について説明する。
  • Aの保護者にAの医療機関への受診を検討するように勧める。

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この過去問の解説 (2件)

01

15 歳の女子 Aは、8歳で発達障害と診断されています。

可能ならば、医師の治療を受けていただいたのち、医師の指示と学校との連携により、Aを支援することが望まれます。

現在のところ、Aの保護者が診断を受け入れられないため、Aの関係者が協力してAを支援することができていない状況です。

選択肢1. Aに適した指導案をBに指示する。

スクールカウンセラーがAに適した指導案をBに指示することは、不適切です。

指導案は、担任教師Bが作成するものです。

スクールカウンセラーは、もし担任教師からの相談を受ければ、相談にのることはありますが、担任教師に指示をすることはありません。

選択肢2. 学校に対するAの保護者の気持ちを受け止める。

学校に対するAの保護者の気持ちを受け止めることは、スクールカウンセラーの対応として適切です。

Aの保護者はAの発達障害の診断が受け入れられず、様々な気持ちを抱いていると思われます。

スクールカウンセラーがAの保護者の気持ちを受け止め、Aの保護者を支援していくことが必要です。

選択肢3. 学校全体で対応する視点を持つようにBに助言する。

学校全体で対応する視点を持つように B に助言することは、適切です。

チーム学校として取り組むことが必要です。

選択肢4. Aの保護者とBに一般的な発達障害の特性について説明する。

Aの保護者とBに一般的な発達障害の特性について説明することは、必要です。

心理教育を行うことにより、Aの保護者とBが事実を客観的に受け止め、Aに対して現実的な対応をすることができます。

一般的な発達障害の特性について知ることは、Aを理解することにつながります。

選択肢5. Aの保護者にAの医療機関への受診を検討するように勧める。

Aの保護者にAの医療機関への受診を検討するように勧めることは、適切です。

医師の診察を受けてもらい、医師と連携をとっておくことが必要です。

医師からの指示や助言により、今後のAへの接し方やAへの対応を考えていくことができます。

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02

正解は1です。

1.→不適切です

指導案の指示が不適切です。

コンサルテーションとして、公認心理師が担任教師Bさんを援助することはあり得ます。しかし、あくまでコンサルテーションは専門家から専門家への援助であって、上下関係ではないことに気を付けましょう。

2.→適切

Aさんの保護者は学校の対応に不満を持っています。Aさんの支援において保護者との関係を作ることは必要そうです。信頼関係をつくるためにも、まずは保護者の方の気持ちも受け止めましょう。

3.→適切

コンサルテーションとしてこのような助言を行うこと不自然ではありません。

4.→適切

担任教師Bさんは今後の対応を考えるために知っておいた方がいいと思われます。また、診断を受け入れられない保護者の理解も得られると支援の幅は広がるでしょう。

5.→適切

診断を受け入れられない保護者の方に医療機関の受診を勧めるのは、現段階ではかなり難しいとは思いますが、不適切とも言い切れません。もうすこし関係が形成されてからであれば、より適切です。

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