公認心理師の過去問
第1回 追加試験(2018年)
午前 問74

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問題

公認心理師試験 第1回 追加試験(2018年) 午前 問74 (訂正依頼・報告はこちら)

36歳の女性A、事務職。がん検診で乳がんが見つかった。通院のため、上司に事情を説明すると「がんの治療のことを考えたら、退職せざるを得ないね」と言われ、ショックを受けた。社内相談室の公認心理師に相談に来て、「もう立ち直れない。何も考えられない。退職するしかない」と訴えた。
Aへの公認心理師の対応として、不適切なものを1つ選べ。
  • Aの心理的な状態を把握し、産業保健スタッフと連携する。
  • 休職して治療に専念し、完治したら職場復帰の手続をとるように助言する。
  • Aの要望に応じて、産業医から上司にAの病状や必要な配慮について説明できることを伝える。
  • 社内の産業保健スタッフと医療機関とが連携し、仕事を継続しながら治療を受ける方法があることを説明する。

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この過去問の解説 (2件)

01

公認心理師の対応として、不適切なものが問われています。

選択肢1. Aの心理的な状態を把握し、産業保健スタッフと連携する。

A の心理的な状態を把握し、産業保健スタッフと連携することは、適切です。

Aは「もう立ち直れない。何も考えられない。退職するしかない」と訴えていますので、公認心理師としてしっかりと傾聴することが必要です。

Aが適切な選択をできるように、産業保健スタッフとともにサポートをすることが求められます。

選択肢2. 休職して治療に専念し、完治したら職場復帰の手続をとるように助言する。

休職して治療に専念し、完治したら職場復帰の手続をとるように助言することは、適切ではありません。

Aの仕事についての決定や今後のことについては、A自身が決めていくことですので、公認心理師はそれに寄り添い、他職種との連携のもとAをサポートをしていくことが必要です。

選択肢3. Aの要望に応じて、産業医から上司にAの病状や必要な配慮について説明できることを伝える。

公認心理師には、Aが適切な判断ができるようにサポートをする役割があります。

したがって、Aから要望があれば、産業医と連携し、産業医から上司にAの病状や必要な配慮について説明するように対応することは、適切です。

また、Aに、サポートできる内容について伝えることは、適切な対応です。

選択肢4. 社内の産業保健スタッフと医療機関とが連携し、仕事を継続しながら治療を受ける方法があることを説明する。

Aは自ら退職を希望しているわけではありません。

「乳がん治療のことを考えたら、退職せざるを得ない」というのは、Aが事情を説明した上司の考え方です。

社内の産業保健スタッフと医療機関とが連携し、Aが仕事を継続しながら治療を受ける方法がありますので、これについてAに説明することは、適切です。

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02

正解は2です。

1.→適切

アセスメントは必要です。また、今後のAさんの支援をするうえで、関係者との連携もあるとよいです。

2.→不適切

休職や今後の方針は心理師一人で決定してよいものではありません。関係者と連携をとりましょう。

3.→適切

がんが見つかったから退職というのは、現代のがん患者の増加に対し適切とは言えません。上司にコンサルテーションを行う必要も考えられます。

4.→適切

Aさんの意向に沿った形で進められるように、対応しています。

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