公認心理師 過去問
第1回 追加試験(2018年)
問81 (午後 問81)
問題文
心理学研究における観察法について、最も適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第1回 追加試験(2018年) 問81(午後 問81) (訂正依頼・報告はこちら)
心理学研究における観察法について、最も適切なものを1つ選べ。
- 生態学的妥当性が低い。
- 因果関係を見い出すのに適している。
- 観察者のバイアスが入り込みやすい。
- 目的に関連する言動だけを効率的に取り出し定量化できる。
- 現象をあるがまま見ることを基本とし、状況に手を加えない。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は3です。
観察法とは心理アセスメントの一つで、他にも検査法、面接法があります。
観察法は、自然観察法と実験的観察法に分類されます。
・自然観察法・・・ありのままの姿を観察する方法
・実験的観察法・・・環境を設定し、どう行動するか観察する方法
1.→×
生態学的妥当性とは現実的に用いることができるかどうかという視点です。自然観察法は生態学的妥当性は高く、実験観察法は生態学的妥当性が低いので一様に低いとは言い難いです。
2.→×
因果関係は実験的観察法では見いだすことはできますが、自然観察法では難しいです。
3.→○
バイアスとは他者を評価するときに歪みが生じてしまうことです。観察者の主観が入りやすいため注意して行う必要があります。
4.→×
定量化は実験的観察法ではできますが、自然観察法では難しいです。
5.→×
観察法には研究するうえで目的の行動がありますので、現象を見ることではありません。
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02
以下に解説します。
×
生態学的妥当性とは、観察対象が統制されない自然状況をどの程度反映しているかを指す概念です。
観察法では自然な場面を観察するため、生態学的妥当性が低いとはいえません。
×
実験における諸々の要素を統制しない観察法は、因果関係を見出すことに不向きな手法です。
〇
標準化された測定ツール等を用いずに観察者の主観で対象を記述する観察法では、観察者バイアスが入り込みやすいため留意が必要です。
×
観察法では、どのような手法を採ったとしても「定量化できる」といえるほどの実測値が得られるとは言い難いです。
そのため不適切な選択肢になります。
×
「非参与観察法」など観察法の中の一技法を取り出してみれば適切だといえないこともないですが、観察法全般にあてはまる記述とはいえません。
「最も適切なものを選べ」という本問の主旨を考えると、「観察者のバイアスが入り込みやすい」という選択肢の方がより適切だと考えられます。
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03
心理学研究における観察法は、対象となる人を観察し、行動の特徴や法則性を調べる方法です。
生態学的妥当性とは、研究が、日常の生活環境など自然な状況下で一般化できるかという考え方です。
観察法においては、生態学的妥当性が高いといえます。
因果関係を見い出すのに適しているのは、実験法など条件を統制できる研究法です。
心理学研究における観察法は、観察者のバイアスが入り込みやすいです。
観察者の育った環境や考え方、理論的背景などが影響を及ぼす可能性があります。
観察法のなかに、時間見本法、場面見本法、事象見本法、日誌法などがありますが、場面見本法、事象見本法、日誌法は、質的データを扱います。
時間見本法は量的データを扱いますが、それだけで観察法が定量化するという説明をするには不十分です。
観察法には、自然観察法と実験観察法があります。
現象をあるがままに見て、状況に手を加えないのは、自然観察法です。
一方、実験観察法は、研究者が意図的に操作を加えます。
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