公認心理師の過去問 第1回 追加試験(2018年) 午後 問86
この過去問の解説 (2件)
1950年代以降、家族心理学が発展しました。
家族システム論とは、家族をひとつのシステムとしてみなし、その機能に着目する理論です。
臨床心理学の中では、家族システム論を理論の基盤とし、家族療法を確立していきました。
家族システムには上位システムと下位システムがあります。
家族という上位システムの中に、夫婦、親子といった下位システムが想定されています。
家族成員間の境界があいまいな家族を纏綿家族(てんめんかぞく)といいます。
遊離家族は、家族成員間の境界が強固であり、コミュニケーションが働いていない家族のことです。
G. Bateson のダブルバインド理論の影響を受けて発展してきています。
一般システム理論ではありません。
家族の中で問題行動や症状を抱える人のことをIP(Identified Patient)といいます。
家族療法において、IP(Identified Patient)は、「家族から患者(問題を起こしている人)だと思われている人」という意味です。
円環的因果律とは、様々な原因が相互に影響しあって今の状況が起きているという考え方のことです。
家族システムとしての機能回復を目指す心理的支援である家族療法も、円環的因果律に基づいています。
1つの原因から1つの結果が導かれるというのは、直線的因果律の説明です。
正解は1です。
家族システム論とは、家族をシステムとして捉える理論です。
1.→○
家族システムは複数の家族から成る上位システムと、単独の家族から成る下位システムがあります。
2.→×
境界があいまいな家族を纏綿家族といいます。遊離家族とは、家族間でコミュニケーションをとらないなど家族構成員の関係が分断されている家族のことです。
3.→×
ベイトソンは二重拘束論を唱えた人物です。一般システム論を唱えたのは、ベルタランフィです。
4.→×
家族の中で問題行動や症状を抱えている人をIPと呼びます。
5.→×
1つの原因から1つの結果が導かれることを直線的因果律といいます。円環的因果律とは、家族の構成員が円環的に影響しあうことです。
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