公認心理師 過去問
第1回 追加試験(2018年)
問139 (午後 問140)

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問題

公認心理師試験 第1回 追加試験(2018年) 問139(午後 問140) (訂正依頼・報告はこちら)

20歳の男性A、大学生。最近、気分が落ち込むことがあり、学生相談室を訪れた。以下にAと公認心理師Bとの対話の一部を示す。

B:一番気持ちが動揺するのは、どんなときですか。
A:成績が悪かったときや女の子にふられたときですね。
B:例えば、成績が悪かったとき、頭に浮かぶのはどんな考えですか。
A:みんなが僕を軽蔑していると考えます。僕は負け組だって。
B:女の子にふられたとき、頭に浮かぶのはどんな考えですか。
A:大した奴じゃないということ。男としての価値がないんですよ。
B:今のいくつかの考えに、何か繋がりが見えますか。
A:僕の気分は他の人が僕をどう見ているかに左右されてるんじゃないでしょうか。

この対話でBが用いている技法として、正しいものを1つ選べ。
  • 構造化面接
  • 問題解決技法
  • 誘導による発見
  • モデリングの実践
  • マインドフルネスの導入

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1、× 構造化面接とは、質問の内容や順序を決めて行われる面接法です。

2、× 問題解決法とは、問題を解決するために、問題の明確化、目標設定の設定、解決策を検討・実行、評価など一連の流れがあります。

3、〇 誘導による発見とは、クライエント自身が自問し自ら発見できるように問いかけ、導く質問をしていきます。AとBのやり取りは、まさしくこれに当たります。

4、× モデリングは、観察学習です。モデルとなる人の言動を観察し真似をすることにより、取り入れていく学習方法です。

5、× マインドフルネスは、「今ここ」の体験に意識を向けて、心を整えていく方法です。

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02

正解3です。

1.→✖

構造化面接とは、事前に決まっている質問内容に沿って面接を行うことです。この対話では、男性Aの話の内容に合わせて質問していますので、構造化面接にはあたりません。

2.→✖

問題解決技法とは、問題解決を目指して目標設定や解決方法を考える面接です。目標設定や解決方法を考えている対話は見当たりませんので、問題解決技法にはあたりません。

3.→〇

公認心理師Bが質問することによって、男性Aが自ら認知の癖や自動思考を発見することを促す面接方法を行っていますので誘導による発見に該当します。

4.→✖

モデルを示して代理強化などを行っていませんので、モデリングの実践には該当しません。

5.→✖

マインドフルネスとは、気分や感情のコントロールを目的とした技法ですので、本問には該当しません。

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03

以下に解説します。

選択肢1. 構造化面接

×:構造化面接とは、決まった質問項目に従って行う面接を指します。

 

選択肢2. 問題解決技法

×:問題解決技法は、

・問題の発見

・課題の決定

・解決法の提案と選択

・解決法の実行

・評価

といったステップをたどります。対話文中から、クライエントの問題が「他の人からの評価によって気分が左右されてしまうこと」であることを発見したと捉えることもできますが、それ以降のステップは記載されていないため不正解です。

 

 

選択肢3. 誘導による発見

○:クライエントが自ら「自分は他人からの評価によって気分が左右されてしまう傾向がある」という問題を発見するために、「気持ちが動揺するのはどういうときか」「頭に思い浮かぶのはどんな考えか」「考え方のつながりは何か」という質問を投げかけているため、誘導による発見が正解です。

 

選択肢4. モデリングの実践

×:モデリングは観察学習とも呼ばれ、モデルを観察することで自分が経験していないことでも学習できるという理論を指します。

 

選択肢5. マインドフルネスの導入

×:日本マインドフルネス学会は「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」としています。

 

 

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