公認心理師 過去問
第1回 追加試験(2018年)
問142 (午後 問143)

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問題

公認心理師試験 第1回 追加試験(2018年) 問142(午後 問143) (訂正依頼・報告はこちら)

9歳の男児A、小学3年生。Aは、入学時から学校で落ち着きがない様子が見られた。担任教師がサポートしながら学校生活を送っていたが、学年が進むとささいなことで感情が高ぶったり教室の中で暴れたりするようになった。Aの学業成績はクラスの中で平均的であった。スクールカウンセラーとAの母親が継続面談を行い、Aには個別の指導が必要であると判断した。
Aが利用する機関として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 児童相談所
  • 教育支援センター
  • 児童自立支援施設
  • 児童家庭支援センター
  • 通級指導教室(通級による指導)

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。

1.→✖

児童相談所は、男児Aのようなケースも対応可能ですが、虐待などのケースを扱うことが多いです。

2.→✖

教育支援センター適応指導教室と呼ばれることもあります。不登校の生徒が、学校へ登校できるようになることを目指して通います。学校長の許可が必要で、出席日数としてカウントされます。

3.→✖

児童自立支援施設とは、非行少年が社会復帰を目指して生活する施設です。家庭裁判所や児童相談所から送致されます。

4.→✖

児童家庭支援センターとは、子どもの発達に関して支援する機関です。支援内容は主に相談に乗ったり、助言を行ったりすることなので男児Aのケースには不十分と考えられます。

5.→〇

通級指導教室とは、学校の授業とは別に、学習の支援社会に適応する支援を行う施設です。

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02

正解は5です。

1、× 児童虐待や一時保護の必要性はみられません。

2、× 「学業成績はクラスの中で平均的であった」とあります。

3、× 児童自立支援施設は、犯罪などの不良行為を行う恐れのある児童や家庭環境等から生活指導を要する児童を対象とした施設です。

児童相談所の措置や家庭裁判所の保護処分による送致により入所・通所する施設です。

4、× 家庭での問題ではなく、Aに対する個別指導先としては適切ではありません。

5、〇 この場合、通級指導教室での個別支援が適切です。

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03

以下に解説します。

選択肢1. 児童相談所

×:児童相談所運営方針によると、①養護相談(家庭環境に関して)②障害相談(医師の相談を基礎とする)③非行相談④育成相談(性格行動、しつけ、適性、不登校等)⑤その他の相談⑥いじめ相談、が主な相談内容とされています。Aくんは、④や⑥に一部当てはまりますが、通級指導教室がより適切であるため不正解です。

 

選択肢2. 教育支援センター

×:文部科学省ホームページにおいて、教育支援センター(適応指導教室)は不登校児童生徒の学校復帰に向けた支援を行うということが記載されています。Aは不登校ではないため、不正解です。

 

選択肢3. 児童自立支援施設

×:児童自立支援施設運営方針によると、「不良行為をなし、又はなすおそれのある子ども及び生活指導等を要する子ども」が対象であるとされています。問題文中に、Aは不良行為やそのおそれがあるといった記載はないため、不正解です。

 

選択肢4. 児童家庭支援センター

×:児童福祉法によると、要保護児童・通告児童・送致された児童・重罪を犯した児童等が対象です。したがって、不正解です。

 

選択肢5. 通級指導教室(通級による指導)

○:文部科学省ホームページにおいて、「言語障害、自閉症、情緒障害、弱視、難聴、LD、ADHD、肢体不自由、病弱及び身体虚弱の児童生徒であり、通常の学級での学習におおむね参加でき、一部特別な指導を必要とする程度のもの」が対象児童とされています。

診断結果はないものの、「学校で落ち着きがない様子」「ささいなことで感情が高ぶったり教室の中で暴れたりする」という点から、ADHDや情緒障害の疑いがあるのではないかと考えられます。また、「成績はクラスの中で平均的」であること、スクールカウンセラーと母親によりAは個別の指導が必要であると判断されたことから、上記の下線部分に該当します。したがって、正解となります。

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