公認心理師 過去問
第5回 (2022年)
問37 (午前 問37)
問題文
うつ病に対する認知行動療法の主な技法として、不適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第5回 (2022年) 問37(午前 問37) (訂正依頼・報告はこちら)
うつ病に対する認知行動療法の主な技法として、不適切なものを1つ選べ。
- 認知再構成法
- 問題解決技法
- 活動スケジュール
- 持続エクスポージャー法
- ソーシャル・スキルズ・トレーニング〈SST〉
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題の正解は、持続エクスポージャー法 です。
各選択肢については以下の通りです。
認知行動療法の1つで、反射的にわきおこる自動思考についての修正を行うことで感情の変化をもたらします。
認知行動療法の1つで、問題解決のために、問題の明確化やブレインストーミングによる解決策の考案など5つのステップを実行します。
認知行動療法の1つで、患者が自身の活動をモニタリングし、活動に関する達成感などを記録します。
トラウマに段階的に曝露することによって克服することを目的とした治療です。
認知行動療法の1つで、対人関係にかかわる能力など社会的活動で必要な技能をレクリエーション等を通じて習得するための手法です。
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02
正答は「持続エクスポージャー法」です。
持続エクスポージャー法は、PTSDを治療するための認知行動療法です。
認知再構成法はクライエントのネガティブな認知をポジティブな認知に置き換える(再構成する)ことで、それに伴う行動面や情動面の変化を目的とします。
うつ病においては、認知を再構成することで抑うつ的な気分の変容を目的とします。
問題解決法とは、クライエントの抱えている課題(問題)を細かく分解し、それぞれを解決するための方策を導き出す方法です。
うつ病からの回復という漠然とした課題を日常生活レベルに落とし込み、具体的な行動を見出すことで、行動するまでのハードルを下げ、実際に小さな目標を解決する経験を積み重ねることで自己肯定感を育むことにもつながります。
うつ状態の場合、多くは活動を回避する傾向が強く、それが更なる抑うつ的な気分を生むという悪循環に陥っている場合があります(気分がすぐれないので、日中家に引きこもる→自分は何もできないのだと抑うつ的な気分を強める)。
そこで、日々の活動を細かくスケジューリングし、心地よく過ごすための行動を見つけ、実際に行動してみます。そうして、快体験に動機付けられた行動が継続されることで健康な生活を実現させます(気分がすぐれない→気分がすぐれなくてもスケジュール通り散歩する→日光を浴び、新鮮な空気に触れ、気分が少し良くなる)。
持続エクスポージャー法とは、物的にも心的にも安全な状態でトラウマ記憶に立ち戻って話すという想像エクスポージャーを繰り返し、持続的に行い、治療していく方法になります。
実施の前には心理教育やリラクゼーション法の獲得など、きちんとしたプロセスを踏み、クライエントが安心感・安全感を抱くことができるよう準備することが重要になります。
うつ病においてSSTは、主に再発防止の目的で行われることが多いです。
SSTを実施し、対人関係場面での立ち回りや自己主張の方法などを身に付けることで日常生活上のストレスにうまく対処できるようになることでうつ病の再発防止に寄与します。
認知行動療法は、広く使われる療法です。細かな知識までは詰め込まずとも、その内容や用途については把握しておくことが必要です。
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03
持続エクスポージャー法とはPTSDに特化した認知行動療法の一つで、トラウマに関連したイメージや状況と向き合って、出来事の再構造化を図る治療法です。「うつ病に対する認知行動療法」ではないので、不適切です。
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