公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午前 問42

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問題

公認心理師試験 第5回 (2022年) 午前 問42 (訂正依頼・報告はこちら)

T. Wardらが提唱したグッド・ライブス・モデル〈Good Lives Model〉について、不適切なものを1つ選べ。
  • クライエントにとっての接近目標と自己管理を重視している。
  • 性犯罪者のリラプス・プリベンション・モデルに基づいたモデルである。
  • 人間の尊厳や権利を重視し、ポジティブ心理学的アプローチをとっている。
  • クライエントを社会の中に包摂し、その立ち直りへの動機づけを高めるものである。
  • 一次的財〈primary goods〉とは人間が生きる上で必要なもので、行為主体性、友情など11の項目が挙げられている。

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この過去問の解説 (2件)

01

T. Wardらが提唱したグッドライブスモデルとは、性犯罪において再発防止ばかりに比重が置かれることを批判し、加害者が社会の中で適応的に立ち直ることを目標としたモデルです。一つずつ見ていきましょう。

選択肢1. クライエントにとっての接近目標と自己管理を重視している。
  1. 「接近目標」とは「こうしたい/こうありたい」と思う目標のことです(⇄回避目標)。自分をコントロールしつつ(自己管理)、ポジティブなゴールに向かって生きることを重視しています。

選択肢2. 性犯罪者のリラプス・プリベンション・モデルに基づいたモデルである。
  1. リラプスとは「再発」のことで、リラプス・プリベンション・モデルとは「再発防止」を意味します。グッドライブスモデルは、再発防止という従来のアプローチへの批判から生まれたものです。よってこれが不適切です。

選択肢3. 人間の尊厳や権利を重視し、ポジティブ心理学的アプローチをとっている。
  1. 性犯罪者が、一人の人間として自尊心を持って社会の中で生きていく権利を重視したポジティブ心理学のアプローチです。

選択肢4. クライエントを社会の中に包摂し、その立ち直りへの動機づけを高めるものである。
  1. 性犯罪者が社会の中において、適応的な形で立ち直ろうとするモチベーションを大切にします。

選択肢5. 一次的財〈primary goods〉とは人間が生きる上で必要なもので、行為主体性、友情など11の項目が挙げられている。
  1. 一次的財とは、人間が生きる上で必要な11の項目です。行為主体性、友情の他には、「感情のコントロール」や「健康的な生活」等が挙げられています。

まとめ

グッドライブスモデル自体は初めての出題ですが、これと関連のあるRNRモデルは既出です。合わせて覚えておきましょう。

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02

この問題の正解は、性犯罪者のリラプス・プリベンション・モデルに基づいたモデルである。 です。

グッド・ライブス・モデル〈Good Lives Model〉とは、ポジティブ心理学を土台とし、犯罪処遇への積極的なモチベーションを高めるために犯罪者の追求する目標を定めたモデルです。

その目標は生きるために必要な11種類の一次的財とそれを得るための手段としての二次的財として表されています。

選択肢2. 性犯罪者のリラプス・プリベンション・モデルに基づいたモデルである。

グッド・ライブス・モデルは、リラプス・プリベンション・モデルといった再犯リスク軽減のための犯罪処遇と異なるアプローチとして生まれたため、根本的に異なります。

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