公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午前 問57
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問題
公認心理師試験 第5回 (2022年) 午前 問57 (訂正依頼・報告はこちら)
学校におけるいじめへの対応として、適切なものを2つ選べ。
- 加害児童生徒に対して、成長支援の観点を持って対応する。
- 被害者、加害者、仲裁者及び傍観者といういじめの四層構造に基づいて事案を理解する。
- 当事者の双方に心身の苦痛が確認された場合には、苦痛の程度がより重い側へのいじめとして対応する。
- 保護者から重大な被害の訴えがあったが、その時点でいじめの結果ではないと考えられる場合は、重大事態とはみなさない。
- いじめの情報が学校にもたらされた場合には、当該校に設置されている学校いじめ対策組織を中心に情報収集や対応に当たる。
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この過去問の解説 (2件)
01
「いじめ防止対策推進法」や文科省の『学校における「いじめの防止」「早期発見」「いじめに対する措置」のポイント』といった資料から、選択肢の正誤を確認していきます。
正解です。加害児童生徒に対しては、教育的配慮に十分留意し、安心・安全・健全な人格の発達に配慮する必要があります。
被害者、加害者、観衆、傍観者の4層が正しいです。
いじめを受けた側が必ずしも苦痛の程度が重いとは限らないため、苦痛の程度ではなく、事実関係を慎重に調査し対応しなければいけません。
「いじめ防止対策推進法」の第二十八条によると、いじめの重大事態の定義は、「①児童等の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがある場合」「②児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合」であり、事実関係が確定してからではなく、疑いが生じた段階で対応を開始しなければいけません。
正解です。「いじめ防止対策推進法」の第二十二条に「学校は、当該学校におけるいじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、当該学校の複数の教職員、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者その他の関係者により構成されるいじめの防止等の対策のための組織を置くものとする」とあり、組織的にいじめに対応していくことが求められます。
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02
学校におけるいじめ問題についての設問です。
正解です。
加害児童生徒に対しては、心理的な孤立感や疎外感を与えることがないようなど一定の教育的配慮の下にいじめが他者の人権を侵す行為であることや他人の痛みを理解できるように指導することを根気強く継続して行うこととされています。
誤りです。
「いじめの四層構造」とは、被害者・加害者・観衆・傍観者のことをいいます。
観衆とは、面白がって周りで観ている者たちのことです。
傍観者は見て見ぬふりをする者たちのことです。
誤りです。
苦痛の程度を比較することは難しく、下記のように「いじめ防止対策推進法」に「いじめの定義」がされています。
「この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいいます。」
誤りです。
「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」(平成 29 年3月文部科学省) によると、「重大事態は、事実関係が確定した段階で重大事態としての対応を開始するのでは なく、『疑い』が生じた段階で調査を開始しなければならないこと。」となっています。
正解です。
(いじめ防止対策推進法第22条)第二十二条 学校は、当該学校におけるいじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、当該学校の複数の教職員、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者その他の関係者により構成されるいじめの防止等の対策のための組織を置くものとする。
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