公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午前 問62
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問題
公認心理師試験 第5回 (2022年) 午前 問62 (訂正依頼・報告はこちら)
20歳の男性 A、大学2年生。単位取得ができず留年が決まり、母親 Bに連れられて、学生相談室の公認心理師 Cが面接した。Bの話では、1年次からクラスになじめず孤立しており、授業もあまり受講していない。サークル活動やアルバイトもしておらず、ほとんど外出していない。昼夜逆転気味で自室でゲームをして過ごすことが多い。Aは、「何も困っていることはない。なぜ相談しなければいけないのか分からない」と、相談室に連れてこられたことへの不満を述べるものの、相談を継続することは渋々承諾している。
CのAへの初期の対応として、最も適切なものを1つ選べ。
CのAへの初期の対応として、最も適切なものを1つ選べ。
- 情緒的側面に触れながら、問題への気づきを徐々に促す。
- 自室のゲーム機を片付けるといった刺激のコントロールを試みるよう促す。
- 問題状況を改善するための目標設定とその優先順位を検討するよう働きかける。
- 自分の価値観を点検し、自分の言動が周囲にどのような影響を与えるのかについて考えるよう促す。
- 授業に出ることについてポジティブなフィードバックを与えて、望ましい行動が強化されるよう働きかける。
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この過去問の解説 (2件)
01
Aへの対応としては、行動変容ステージモデルに合わせた促しが有効と考えられます。
行動変容ステージモデルとは、人が行動を変えていくまでのステップを整理したものです。まず行動を変えようと思っていない無関心期から、行動を変えようと思う関心期、具体的に変えようと計画する準備期、行動を変えて間もない実行期、行動を変えてしばらく経った維持期の5ステップから成ります。
Aの言動から、現状は無関心期だといえます。この場合は、自分の現状を把握し、次の関心期へ繋げるアプローチが必要になります。
Aの現状では、まずは自分の問題について気づくことが第一ステップになるため、正解です。
具体的な行動変容を促しているため、準備期で行うアプローチといえます。
行動変容の目標を検討させるのは、準備期で行うアプローチといえます。
このアプローチは、自分の問題を全く理解できていない無関心期では、行動変容への反発を生み出しかねないため、有効とはいえません。
望ましい行動が強化されるように働きかけるのは、実行期から維持期で行うアプローチといえます。
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02
学生相談室の心理師としての初期対応について問われている問題です。
適切です。
男性Aは自身の問題に無自覚であり、相談室に連れてこられたことに不満を述べるていますが、相談を継続することには承諾しています。
今後、相談を継続していく上で、まずは男性Aと信頼関係を構築することが大切です。
不適切です。
男性Aは、何も困っていないため、改善する必要があるとは現時点では思っていません。
不適切です。
男性Aは、現状に困っておらず、問題があるとは思っていません。
不適切です。
相談者との信頼関係が構築できていない状況では、難しいと思われます。
不適切です。
男性A自身が、授業に出ないことを問題と認識した上で、授業に出ることを目的とした場合には有効であると思われます。
心理面談における初期対応について、適切な対応は何かを理解しておきましょう。
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