公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午前 問61

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問題

公認心理師試験 第5回 (2022年) 午前 問61 (訂正依頼・報告はこちら)

7歳の男児 A、小学1年生。登校しぶりがあり、母親 Bに伴われ市の教育センターに来室した。Bによると、Aは、「クラスの子がみんな話を聞いてくれない」、「授業で何をやったら良いのか分からない」と言っている。Bは、Aが教室内での居場所がないようで心配だと話した。公認心理師である相談員 Cが Aに話しかけると、Aは自分の好きなアニメの解説を一方的に始めた。
Aに対する支援をするに当たり、Aの適応状況に関する情報収集や行動観察に加え、Cが A自身を対象に実施するテストバッテリーに含める心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。
  • AQ−J
  • CAARS
  • CAT
  • NEO−PI−R
  • WISC−Ⅳ

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この過去問の解説 (2件)

01

Aの授業についていけない様子や一方的に好きなアニメの解説を始めるところからも、発達障害の可能性があります。この場合の初期のアセスメントとしては現状の知能を把握することが適切だといえます。加えて、問題文の「A自身を対象に実施するテストバッテリーに含める心理検査」という点にも注意しましょう。

選択肢1. AQ−J

AQ日本語版自閉症指数は、個人の自閉症傾向を測定する目的で開発されたテストです。成人は自己評価、児童用は保護者などによる他者評価で、「社会的スキル」「注意の切り替え」「細部への関心」「コミュニケーション」「想像力」の5つの下位尺度からなります。A自身が回答するテストではないため、不正解です。

選択肢2. CAARS

コナーズ成人ADHDスケール(Conners' Adult ADHD Rating Scales:CAARS)は、成人のADHD症状の重症度を測定する尺度です。よって、不正解です。

選択肢3. CAT

CAT(Children's Apperception Test)は、10枚の絵を見ながら物語を自由に語ってもらい、パーソナリティを把握する投影法の一つです。パーソナリティ検査よりも知能検査が優先であるため、不正解です。

選択肢4. NEO−PI−R

NEO−PI−Rは、「外向性」「開放性」「調和性」「誠実性」「神経症傾向」を測定する人格検査で、対象は成人になります。児童が対象の検査ではない点と、人格検査はAの初期のアセスメントとしては不適切な点から、不正解です。

選択肢5. WISC−Ⅳ

WISC-Ⅳは、適応年齢5歳0か月~16歳11か月までの知能検査です。Aの現状を把握するには最も適切な検査といえます。したがって、正解です。

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02

心理検査についての設問です。

選択肢1. AQ−J

不適切です。

AQ-J(Autism‐Spectrum Quotient-Japaneses Version)は、自閉症スペクトラム指数(日本語版)です。対象は6歳から15歳の児童用と16歳以上の成人用があり、ASD傾向のスクリーニングを目的に使用されます。児童用は保護者が、成人用は対象者自身で回答します。

選択肢2. CAARS

不適切です。

CAARS(Conner’s Adult ADAH Rating Scales)は、成人のADAH評価尺度です。

選択肢3. CAT

不適切です。

CAT(Children's Apperception Test)は、パーソナリティ検査です。

選択肢4. NEO−PI−R

不適切です。

NEO-PI-R(NEO Personality Inventory Revied)は、ネオ人格目録(改訂版)という人格検査です。

選択肢5. WISC−Ⅳ

適切です。

WISC‐Ⅳは、知能検査です。対象年齢は5歳~16歳11か月です。バッテリーテストに使用されます。

まとめ

各種心理検査の区別(人格検査、知能検査、発達検査など)と、検査対象者は誰なのか(年齢区分を含め)整理して理解しておきましょう。

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