公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午後 問4

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問題

公認心理師試験 第5回 (2022年) 午後 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

感情が有効な手がかりになる際には、判断の基盤として感情を用いるが、その影響に気づいた場合には効果が抑制されると主張している感情に関する考え方として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 感情情報機能説
  • 認知的評価理論
  • コア・アフェクト理論
  • 感情ネットワーク・モデル
  • ソマティック・マーカー仮説

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この過去問の解説 (2件)

01

感情に関する各理論をおさえておきましょう。

選択肢1. 感情情報機能説

正解です。

感情情報機能説は、気分一致効果ともいわれ、例えば、晴れた日と雨の日では、晴れた日の方が生活により満足していると回答する人が多いということが分かっています。

しかし、同様の実験で、最初に天気について関心を向けさせると、天気による影響がなくなるという結果から、判断の基盤に気分や感情が影響していると自覚すると、その効果が抑制されるといわれています。

選択肢2. 認知的評価理論

認知的評価とは、人がある出来事や状況をどのように評価するかについての思考プロセスのことを指します。

認知的評価理論によると、ストレス反応を引き起こす主な認知的評価には以下のようなものがあります。

脅威評価:個人がある状況や出来事を脅威と見なす場合、ストレス反応が引き起こされやすくなります。

制御評価:個人がある状況や出来事を自分でコントロールできないと感じる場合、ストレス反応が引き起こされやすくなります。

適応評価:個人がある状況や出来事に対して適応することができないと感じる場合、ストレス反応が引き起こされやすくなります。

選択肢3. コア・アフェクト理論

コア・アフェクト理論は、感情の基本的な構成要素を探究する理論で、感情は次の4つの基本的なタイプに分類されます。

・高い快感と低い興奮(穏やかな快感):リラックスしている、平静で幸福な状態を表します。

・高い快感と高い興奮(強い快感):喜びや幸福感を表し、強い情緒的な反応を引き起こします。

・低い快感と低い興奮(穏やかな不快感):物事がうまくいかない、退屈な状態を表します。

・低い快感と高い興奮(強い不快感):怒りや不安、ストレスなど、強い負の情動を表します。

選択肢4. 感情ネットワーク・モデル

感情ネットワーク・モデルとは、人間の感情が相互に影響し合ってネットワーク状に結びついているという仮説に基づいたモデルです。

例えば、嬉しいといった感情は「試験に合格した」などの体験と結びついており、その行動を促進したりします。

選択肢5. ソマティック・マーカー仮説

ソマティック・マーカー仮説は、アントニオ・ダマシオによって提唱された仮説で、過去の経験から身体的な反応や感情が蓄積され、同じような判断を下す場合にその経験が蘇り、判断に影響を与えるとされています。

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02

感情理論に関する設問です。

選択肢1. 感情情報機能説

適切です。感情情報機能説とは、自己の感情状態を評価や判断の基盤にしているという考え方です。

選択肢2. 認知的評価理論

認知的評価理論では、ある出来事をどのようにとらえるか(認知するか)によって、その後のストレスへの対処法などが変わってくるという考え方に基づく理論です。

選択肢3. コア・アフェクト理論

コア・アフェクト理論とは、身体内部の内受容感覚に基づく快ー不快という感覚が感情に影響を及ぼしているとする理論です。

選択肢4. 感情ネットワーク・モデル

感情ネットワーク・モデルとは、感情が活性化されるとそれに関連する自律的反応や行動、記憶などが活性化されるとする理論です。

選択肢5. ソマティック・マーカー仮説

ソマティック・マーカー仮説とは、前頭前野の働きが意思決定に影響を及ぼすとする考え変え方です。

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