公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午後 問22
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問題
公認心理師試験 第5回 (2022年) 午後 問22 (訂正依頼・報告はこちら)
知的障害児の適応行動の評価で使用する心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。
- CDR
- WISC−Ⅳ
- Vineland−Ⅱ
- 田中ビネー知能検査 V
- グッドイナフ人物画検査
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この過去問の解説 (3件)
01
各心理検査の特徴を理解しておきましょう。
CDR(Clinical Dementia Rating)は認知症の重症度を測る検査になります。記憶、見当識、判断力と問題解決、社会適応、家族状況および趣味・関心、介護状況の6項目を5段階で評価し、CDR=0で健常、CDR=3で重度認知症に分類されます。
WISC-Ⅳは、適応年齢5歳0か月~16歳11か月までの知能検査です。言語理解指標(VCI)、知覚推理指標(PRI)、ワーキングメモリ(WMI )、処理速度指標(PSI)の4つの指標からなります。
正解です。Vineland-Ⅱは、半構造化面接により日常生活への適応行動を評価します。コミュニケーション、日常生活スキル、社会性、運動スキルと日常生活で問題になるような不適応行動の観点から構成され、保護者など対象者をよく知る人物が回答します。
田中ビネー知能検査Ⅴは、2歳~成人までを対象とした知能検査です。2歳~13歳までは精神年齢と知能指数(IQ)、14歳以上は偏差知能指数(DIQ)を算出します。
グッドイナフ人物画検査は、知能検査として開発された、対象者の発達の程度やパーソナリティを評価する描画法の一つです。描かれた男の子の身体各部の比率などから、知能指数を算出します。
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02
この問題の正解は、Vineland−Ⅱ です。
適応行動とは個人的または社会的活動を充足させるために必要な日常生活における行動とされており、環境の期待によって変化したり、年齢によって重視されることが変化します。
Vineland−Ⅱは、適応行動の標準化尺度で0歳から92歳までに適用され、コミュニケーション領域、日常生活スキル領域など5つの分野で評価されます。
選択肢に存在するWISC−Ⅳや田中ビネー知能検査 Vのような知能検査も適応行動評価につながりますが、本検査は適応行動に焦点を当てたもので最も適切と考えられます。
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03
この問題では心理検査の知識が問われています。
その検査で分かること、適応年齢、実施方法などのポイントを理解しておくことが大切です。
では、選択肢を見てみましょう。
誤りです。
CDRは、認知症の重症度を測る検査です。この検査の利点は、患者本人の認知症が重く協力を得にくい場合でも、専門家が評価することによって判断できることと言えます。
6項目(記憶、見当識、判断力と問題解決、社会適応、家族状況および趣味・関心、介護状況)について、5段階で評価をします。
誤りです。
WISC-Ⅳは、5歳0ヵ月から16歳11ヵ月の児童について知能を測ることができる検査です。
全体のIQだけでなく、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度の4つの力を見ることができます。
正答です。
Vineland-Ⅱは、適応行動について測るものです。検査は、対象者本人でなく、対象者をよく知る人に対する半構造化面接によって行われます。対象者が児童の場合は、保護者が回答することが多いです。
この検査で言う適応行動とは、毎日の生活に必要な日常生活の力やコミュニケーションの力、社会生活の状況などを言います。他にも運動面、不適応行動についても幅広く評価することができます。
誤りです。
田中ビネー知能検査Ⅴは、知能検査の一種です。2歳から成人の方までに適用されます。
精神年齢、IQを算出することができます。成人の方に実施する場合には、DIQ(偏差知能指数)を測ることができ、より詳しくその方のもっている力について算出されます。
誤りです。
グッドイナフ人物画検査は、描画によって精神年齢を算出する検査です。3歳から8歳6ヶ月の児童が適用となり、言葉による表現の力が幼いお子さん、苦手なお子さんでも精神年齢を測ることができます。
心理検査については、知識を得るだけでなく、実施の技術を磨くこと、クライエントにとって有効な結果の説明や所見作成ができるよう努めることが大切です。
また、心理検査は時代の変化に併せて度々改訂されます。例えば、WISCでは、WISC-Ⅴが最新版となっています。実施に向けて勉強することはもちろんですが、公認心理師試験でも検査内容の改訂に関する問題が出されることがありますので、新しい情報も取り入れながら学んでいきましょう。
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