公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午後 問26
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問題
公認心理師試験 第5回 (2022年) 午後 問26 (訂正依頼・報告はこちら)
DSM−5の身体症状症および関連症群における身体症状症について、最も適切なものを1つ選べ。
- 身体の一部に脱力が起こる。
- 視覚や聴覚の機能が損なわれる。
- 疾患を示唆する身体症状を意図的に作り出している。
- 重篤な疾患に罹(り)患することへの強い不安がある。
- 身体症状に関連した過度な思考、感情または行動がある。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題では適切な選択肢を選ぶ必要があります。
正解は、身体症状に関連した過度な思考、感情または行動がある。 です。
誤りです。
身体症状症では脱力が起こることもありますが、全ての場合ではありません。
誤りです。
身体症状症では視覚や聴覚の機能が損なわれることはありません。
誤りです。
上記の特徴は身体症状症にはみられず、作為症(虚偽性障害)にあてはまります。
誤りです。上記の特徴は病気不安症にみられます。
正しいです。
身体症状に関連した過剰で不適な思考、感情、行動は身体症状症の特徴です。
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02
DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)では、身体症状症(身体症状障害;SSD)は、自身の身体症状に対して過度に関心を抱いたり意識を向けすぎることが、結果的に当人の時間を多く費やし、疲弊してしまう特徴のある疾患であるとされています。
具体的な身体症状は、身体のどの部分にでも生じることができますが、慢性的な疲れ、消化器症状、痛み、性的機能障害、脳機能障害などが最も一般的です。
身体症状症は、症状の継続期間、頻度や症状が原因でどれだけの苦痛や社会機能障害を引き起こすか、そして症状が精神的な要因によって説明できるかどうかに応じて診断されます。
別の言い方では、心身症やソマティック・シンドロームとも呼ばれます。
誤り。脱力が起きることもあるが、主な症状ではありません。
誤り。資格や聴覚の機能が損なわれることはありません。
誤り。選択肢は詐病、作為症、演技性人格症などの可能性があります。
誤り。選択肢は不安症の一種にあたります。
正解。
心因的な問題が多く内在しているため、身体症状に関連した過度な思考、感情または行動があります。
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03
この問題は、DSM-5の「身体症状症及び関連症群」にある説明に基づいて考えていきます。
身体症状症の診断基準には、次のように示されています。
A.1つまたはそれ以上の、苦痛を伴う、または日常生活に意味のある混乱を引き起こす身体症状。
B.身体症状、またはそれに伴う健康への懸念に関連した過度な思考、感情、または行動で、以下のうち少なくとも1つによって顕在化する。
(1)自分の症状の深刻さについての不釣り合いかつ持続する思考
(2)健康または症状についての持続する強い不安
(3)これらの症状または健康への懸念に費やされる過度の時間と労力
C.身体症状はどれひとつとして持続的に持続していないかもしれないが、症状のある状態は持続している(典型的には6ヵ月以上)。
よって、この問題の正答は「身体症状に関連した過度な思考、感情または行動がある」となります。
では、他の選択肢も見てみましょう。
誤りです。
この症状は、身体症状症および関連症群の中では、「変換症/転換性障害(機能性神経症状症)」に当てはまると考えられます。
誤りです。
この症状は、身体症状症および関連症群の中では、「変換症/転換性障害(機能性神経症状症)に当てはまると考えられます。
誤りです。
この症状は、身体症状症および関連症群の中では、「作為症/虚偽性障害」に当てはまると考えられます。
誤りです。
この症状は、身体症状症および関連症群の中では、「病気不安症」に当てはまると考えられます。
正答です。
DSMは2023年に改訂があり、現在は「DSM-5-TR」が最新版となっています。DSM-5からの変更点(‘障害’でなく‘症’と訳す、自閉スペクトラムの診断基準など)、追加点(遷延性悲嘆症など)がありますので、よく確認しておきましょう。
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