公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午後 問43

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問題

公認心理師試験 第5回 (2022年) 午後 問43 (訂正依頼・報告はこちら)

公認心理師の行為のうち、登録が取り消される場合があるものを1つ選べ。
  • 公認心理師としての資質の向上を怠った。
  • 公認心理師の信用を傷つける行為をした。
  • 高校生のカウンセリングを行うに当たって、担任教師と連携しなかった。
  • クライエントの自殺を回避するために、面接で得た秘密を関係者に伝えた。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は、公認心理師の信用を傷つける行為をした。 です。

本問では公認心理師法(以下、同法と記述します。)を参照します。

各選択肢については以下の通りです。

選択肢1. 公認心理師としての資質の向上を怠った。

誤りです。

同法第四十三条には資質向上の責務について記載されていますが、これに反しても登録が取り消されるとの記載はありません。

選択肢2. 公認心理師の信用を傷つける行為をした。

正しいです。同法第四十条には信用失墜行為の記載があります。

さらに、第三十二条には第四十条の規定に違反した際、登録の取り消しが可能である旨が記載されています。

選択肢3. 高校生のカウンセリングを行うに当たって、担任教師と連携しなかった。

誤りです。

第三十二条には第四十二条二項の規定に違反した際、登録の取り消しが可能である旨が記載されていますが、第四十二条二項には医師からの指示に従わなければならないことが記載されています。

選択肢4. クライエントの自殺を回避するために、面接で得た秘密を関係者に伝えた。

誤りです。

第三十二条には第四十一条にある秘密保持義務の規定に違反した際、登録の取り消しが可能である旨が記載されていますが、クライエントの自殺を回避するという目的は秘密保持義務の例外となるため登録は取り消されません。

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02

登録の取消し等については、公認心理師法第三十二条に記されています。

第二項には、「文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師が第四十条、第四十一条又は第四十二条第二項の規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて公認心理師の名称及びその名称中における心理師という文字の使用の提示を命ずることができる」とあります。

公認心理師法をよく理解しておく事が大切です。

選択肢1. 公認心理師としての資質の向上を怠った。

誤答です。登録の取り消しにはなりません。

ただし、公認心理師法第四十三条に「資質向上の責務」とあり、「公認心理師は、国民の心の健康を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、第二条各号に掲げる行為に関する知識及び技能の向上に努めなければならない」とありますので、知識・技術向上のために学び続ける事が大切です。

選択肢2. 公認心理師の信用を傷つける行為をした。

正解です。登録の取り消しになる場合があります。

公認心理師法第四十条に「信用失墜行為の禁止」とあり、「公認心理師は、公認心理師の信用を傷つけるような行為をしてはならない」と記されています。

選択肢3. 高校生のカウンセリングを行うに当たって、担任教師と連携しなかった。

誤答です。登録の取り消しにはなりません。

ただし、公認心理師法第四十二条に、「公認心理師は、その業務を行うに当たっては、その担当する者に対し、保健医療、福祉、教育等が密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう、これらを提供する者その他の関係者等との連携を保たなければならない」とありますので、関係者との連携をとる事は重要です。

選択肢4. クライエントの自殺を回避するために、面接で得た秘密を関係者に伝えた。

誤答です。登録の取り消しにはなりません。

第四十一条に、「秘密保持義務」とあり、「公認心理師は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。公認心理師でなくなった後においても、同様とする」と記されています。

クライエントに自殺や犯罪の考え、虐待の可能性などがあると知り得た場合は、命に関わる重要な情報ですので、関係者へ情報を伝え、連携する事が必要です。これらは、クライエントの秘密を明かすための「正当な理由」と言えます。

まとめ

公認心理師として働き始める前に、公認心理師法について十分に把握しておきましょう。国家資格ですので、その責任をよく理解しておく事が重要です。

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