公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午後 問45

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問題

公認心理師試験 第5回 (2022年) 午後 問45 (訂正依頼・報告はこちら)

児童生徒の自殺が発生した学校への緊急支援に関わる公認心理師の活動として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 全体的対応ではなく、個別的対応に特化した支援に携わる。
  • 児童生徒の混乱を防ぐため、事実に基づく正確な情報を早い段階で伝えることは控える。
  • トラウマ反応の予防のため、最初の職員研修において心理的デブリーフィングを実施する。
  • いらいらや食欲不振といった、心身の反応については、特殊な事態における一般的な反応であると児童生徒や関係者に伝える。

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この過去問の解説 (2件)

01

公認心理師は学校場面での緊急支援を実施する場合があります。

その際の基本姿勢を学んでおく事が大切です。

この問題では、「いらいらや食欲不振といった、心身の反応については、特殊な事態における一般的な反応であると児童生徒や関係者に伝える」が正答です。

選択肢1. 全体的対応ではなく、個別的対応に特化した支援に携わる。

誤答です。

緊急支援において、必ずしも個別的対応に特化するとは言えません。

まずは学校の状況について情報を整理したり、公認心理師としてどのように支援できるかを検討したりという全体的な対応から実施する事が大切です。

選択肢2. 児童生徒の混乱を防ぐため、事実に基づく正確な情報を早い段階で伝えることは控える。

誤答です。

児童生徒の間で予測や誤った情報が広がると、さらなる混乱や不安を招く可能性もあります。

学校関係者とよく話し合いながら、児童生徒や保護者への情報の伝え方を検討する事が重要です。

選択肢3. トラウマ反応の予防のため、最初の職員研修において心理的デブリーフィングを実施する。

誤答です。

心理的デブリーフィングとは、ストレスとなった体験について詳しく話し、感情を表出させるような援助方法です。

ただし、この援助方法によって状態が悪化したという報告もある事から、緊急支援では実施しない事とされています。

選択肢4. いらいらや食欲不振といった、心身の反応については、特殊な事態における一般的な反応であると児童生徒や関係者に伝える。

正答です。

特殊な事態における一般的な心身反応を伝えておく事により、児童生徒や学校関係者に何か反応が起きても、過剰な不安を持たずに落ち着いて対処できると期待されます。

心身反応が長引く場合や重く辛い時の対処法も併せて伝える事も大切です。

まとめ

このような心理教育の知識は、学校場面の緊急事態に限らず、様々な場面で有用なものです。

この知識を持っておく事で、公認心理師自身も落ち着いて対応する事ができますので、よく学んでおく事が大切です。

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02

正解は、

いらいらや食欲不振といった、心身の反応については、特殊な事態における一般的な反応であると児童生徒や関係者に伝える。 です。

各選択肢については以下の通りです。

選択肢1. 全体的対応ではなく、個別的対応に特化した支援に携わる。

誤りです。緊急支援という状況において公認心理師は個別的対応に必要な情報(自殺の背景や学校についての情報)をその短い期間で把握することは困難であると想定されるため、全体的対応に特化した支援に携わることが適切といえます。

選択肢2. 児童生徒の混乱を防ぐため、事実に基づく正確な情報を早い段階で伝えることは控える。

誤りです。混乱を防ぐには、事実に基づく正確な情報を早い段階で伝えることは必要であるといえます。

選択肢3. トラウマ反応の予防のため、最初の職員研修において心理的デブリーフィングを実施する。

誤りです。デブリーフィングとはPTSDの予防のために、災害の直後にその体験について聞くという手法のことです。しかし、近年ではかえってPTSDを悪化させるといった報告もあり、対応としても適切と言い切れません。

選択肢4. いらいらや食欲不振といった、心身の反応については、特殊な事態における一般的な反応であると児童生徒や関係者に伝える。

正しいです。非常事態における関係者の心身の反応は多岐にわたり、それらが一般的であると知らせることは安心感を与えることにもつながり、効果的であるといえます。

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