公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午後 問54

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問題

公認心理師試験 第5回 (2022年) 午後 問54 (訂正依頼・報告はこちら)

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援について、適切なものを2つ選べ。
  • 本人の意思決定をプロセスとして支援するものである。
  • 本人の意思を支援者の視点で評価し、支援すべきと判断した場合に行う。
  • 本人が最初に示した意思を尊重し、その実現を支援することが求められる。
  • 意思決定支援を行う上で、本人をよく知る家族も意思決定支援者の立場で参加する。
  • 社会資源の利用で本人と家族の意思が対立した場合には、家族の意思決定を優先する。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題の正解は、

本人の意思決定をプロセスとして支援するものである。 と

意思決定支援を行う上で、本人をよく知る家族も意思決定支援者の立場で参加する。 です。

厚生労働省による認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援(以下、本ガイドラインとします。)を参照します。

各選択肢については以下の通りです。

選択肢1. 本人の意思決定をプロセスとして支援するものである。

正しいです。

本ガイドラインの意思決定支援とは何かという項目には、意思決定支援とは本人の意思決定をプロセスとして支援するものと定義されています。

選択肢2. 本人の意思を支援者の視点で評価し、支援すべきと判断した場合に行う。

誤りです。

本ガイドラインには、”意思決定支援は、本人の意思(意向・選好あるいは好み)の内容を支援者の 視点で評価し、支援すべきだと判断した場合にだけ支援するのではなく、まずは、本人 の表明した意思・選好、あるいは、その確認が難しい場合には推定意思・選好 を確認し、それを尊重することから始まる。”と記載されています。

選択肢3. 本人が最初に示した意思を尊重し、その実現を支援することが求められる。

誤りです。

本ガイドラインでは、意思決定支援に際して、本人の意思を繰り返し確認することが必要との記載があり、最初に示した意思の実現を支援するという本選択肢の内容は適切とは言えません。

選択肢4. 意思決定支援を行う上で、本人をよく知る家族も意思決定支援者の立場で参加する。

正しいです。

本ガイドラインには、家族も本人の意思決定支援者であることが記載されています。

選択肢5. 社会資源の利用で本人と家族の意思が対立した場合には、家族の意思決定を優先する。

誤りです。

本ガイドラインでは、社会資源等を受け入れる際に見解が異なることがあっても本人の意思決定を支援することが必要であると記載されています。

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02

この問題は、厚生労働省の「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」の理解した上で解答する事が求められます。

選択肢1. 本人の意思決定をプロセスとして支援するものである。

正解です。

本人の意思決定能力を評価しながら、意思形成支援、意思表明支援、意思実現支援などのプロセスを踏んで支援していく事が大切です。

選択肢2. 本人の意思を支援者の視点で評価し、支援すべきと判断した場合に行う。

誤りです。

支援者の視点だけでなく、本人の表明した意思や選好を大切にします。本人の表明が難しい場合には、推定に意思、選好を確認し尊重します。

選択肢3. 本人が最初に示した意思を尊重し、その実現を支援することが求められる。

誤りです。

本人が最初に示した意思にこだわらず、その時々の意思表示に応じて支援する事が求められます。

選択肢4. 意思決定支援を行う上で、本人をよく知る家族も意思決定支援者の立場で参加する。

正解です。

意思決定支援のチームには、本人をよく知る家族にも参加してもらう事が望ましいとされています。

選択肢5. 社会資源の利用で本人と家族の意思が対立した場合には、家族の意思決定を優先する。

誤りです。

このような場合、意思決定支援者は、家族の意思決定を優先するよりも、本人の意思決定を支援するために、家族へ必要な情報を提供したり、家族の不安に対応したりするような支援を行う事が大切です。

まとめ

公認心理師が認知症の方の支援に携わる現場もありますので、意思決定支援の基本的な考え方や態度を理解しておきましょう。

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