公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午後 問55

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問題

公認心理師試験 第5回 (2022年) 午後 問55 (訂正依頼・報告はこちら)

軽度認知障害[mild cognitive impairment〈MCI〉]に関する説明として、適切なものを2つ選べ。
  • 不可逆的な状態である。
  • 日常生活動作は低下している。
  • 記憶障害は診断の必須要件である。
  • 認知機能評価には MoCA−Jが有用である。
  • DSM−5では、神経認知障害群に含まれる。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題の正解は、

認知機能評価には MoCA−Jが有用である。 と 

DSM−5では、神経認知障害群に含まれる です。

各選択肢については以下の通りです。

選択肢1. 不可逆的な状態である。

誤りです。軽度認知障害は回復の見込める疾患です。

選択肢2. 日常生活動作は低下している。

誤りです。軽度認知障害とは、主な症状は記憶障害であるが、日常生活に影響はほぼなく、認知症とは診断できない状態です。

選択肢3. 記憶障害は診断の必須要件である。

誤りです。非健忘型MCIの場合、記憶障害は認められません。

選択肢4. 認知機能評価には MoCA−Jが有用である。

正しいです。 MoCA-Jは軽度認知障害のスクリーニングのための検査で、25点以下はMCIとされます。

選択肢5. DSM−5では、神経認知障害群に含まれる。

正しいです。軽度認知障害はDSM-5の神経認知障害群に含まれます。神経認知障害群は、せん妄、major neurocognitive disorder、mild neurocognitive disorder の3つに分類されます。

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02

軽度認知障害(MCI)とは、物忘れがある、注意力に低下があるなどの症状が見られていても、日常生活には支障がない状態を言います。認知症とは考えません。

それぞれの選択肢について考えてみましょう。

選択肢1. 不可逆的な状態である。

誤りです。

MCIは、可逆性の状態です。認知機能などが正常範囲へ戻る場合があります。早期発見、予防が大切です。

選択肢2. 日常生活動作は低下している。

誤りです。

日常生活動作は自立している状態です。

選択肢3. 記憶障害は診断の必須要件である。

誤りです。

記憶障害は診断の必須条件ではありません。「認知機能の障害が一つ以上ある事」が診断基準に含まれていますが、記憶・遂行・注意・言語・空間認知のいずれか一つ以上に障害が生じている場合とされており、記憶障害に限って診断されるのではありません。

選択肢4. 認知機能評価には MoCA−Jが有用である。

正解です。

MoCA-Jは「日本語版 Montreal Cognitive Assesment」の略称です。

MCIのスクリーニングに活用されます。

注意機能、視空間認知、注意、記憶、言語、概念的思考、計算、見当識などの多くの認知機能を評価するものです。30点中、25点以下の場合にMCIの可能性があると考えられます。

選択肢5. DSM−5では、神経認知障害群に含まれる。

正解です。

DSM-5では、新しく「神経認知障害群」という用語が使われています。

神経認知障害群は、せん妄、認知症、軽度認知障害の3つに分類されており、それぞれについて診断基準が示されています。

まとめ

認知症に限らず、発達障害や精神疾患は、診断名や診断基準が変更になる事があります。公認心理師は、新しい情報や知識を取り入れながら働く姿勢が大切です。

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