公認心理師 過去問
第5回 (2022年)
問136 (午後 問59)
問題文
15歳の男子 A、中学3年生。Aは、不登校状態のため友人と疎遠になり、話し相手は母親 Bのみである。長年単身赴任をしている父親Cは、赴任先からたまに帰宅すると、Aの不登校について Aと Bを厳しく叱り、母子は口をそろえて Cの無理解をなじる。高校進学を控える Aに対して、Cは全日制高校への進学を勧めるが、Aと Bは、Cと言い争った末に、通信制高校への出願を決めた。
家族システム論の観点から、Aとその家族関係を説明する心理学概念として、最も適切なものを1つ選べ。
家族システム論の観点から、Aとその家族関係を説明する心理学概念として、最も適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第5回 (2022年) 問136(午後 問59) (訂正依頼・報告はこちら)
15歳の男子 A、中学3年生。Aは、不登校状態のため友人と疎遠になり、話し相手は母親 Bのみである。長年単身赴任をしている父親Cは、赴任先からたまに帰宅すると、Aの不登校について Aと Bを厳しく叱り、母子は口をそろえて Cの無理解をなじる。高校進学を控える Aに対して、Cは全日制高校への進学を勧めるが、Aと Bは、Cと言い争った末に、通信制高校への出願を決めた。
家族システム論の観点から、Aとその家族関係を説明する心理学概念として、最も適切なものを1つ選べ。
家族システム論の観点から、Aとその家族関係を説明する心理学概念として、最も適切なものを1つ選べ。
- 連合
- 自己分化
- 遊離家族
- 親役割代行
- 情緒的遮断
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題の正解は、連合 となります。
本問では構造派家族療法への理解がポイントとなります。
各選択肢については以下の通りです。
正しいです。
連合とは家族同士が同じ目的のために結びつくことです。本問では母親と息子が連合して父親と意見が対立しています。
誤りです。
ボーエンの提唱する自己分化とは家族というシステムの中で自身を客観的に見れるようになる過程です。
誤りです。
構造学派家族療法において遊離家族とは家族間の交流が遮断されている状態です。
誤りです。
親役割代行とは大人が親としての役割を果たさない場合に代わりに子供が親に支援や教育的な役割を成すことです。
誤りです。
情緒的遮断とは、家族から離れて物理的・情緒的な交流を避けることです。
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02
家族システム論とは、家族を個人個人が互いに影響し合う一つのシステムと捉え、何か問題がある時は、家族のシステムに問題が起きていると考えるものです。
正解です。
連合とは、何かの目的のために家族の個人と個人が強く結びつくことを言います。この事例は、男子Aと母親Bが強く結びついており、父親Cが断絶されている状況と説明できます。
誤りです。
自己分化とは、家族の中の個人が、「論理・知性」と「感情」の両方を扱う過程を指します。個人の中で、この二つのバランスが良いと(自己分化度が高いと)、「論理・知性」の力で自分らしく過ごしながらも、「感情」の力で家族とのつながりも持てるような健康的な状態とされます。
誤りです。
遊離家族とは、家族の個人間に壁があり、家族としてのまとまりがない状態を意味します。互いに関わり合わない、特定のメンバーだけが強く結びついているような状況です。
誤りです。
親役割代行とは、家族の中で子どもが親の役割を代わりに担っている事を言います。大人の問題や葛藤を子どもが引き受けたり、巻き込まれたりしている状態です。
誤りです。
情緒的遮断とは、不安の高い親に子どもが感情的に巻き込まれ、親との関わりを遮断する事を言います。親を無視する、会わないようにする、家を出るなどの行動が考えられます。
クライエントのアセスメントをする際、このような家族システム論で考える手法もあります。様々な理論に触れ、クライエントに合わせて知識を発揮できると良いですね。
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