公認心理師 過去問
第5回 (2022年)
問141 (午後 問64)
問題文
17歳の男子 A、高校2年生。Aは、監視されているという恐怖のため登校できなくなり、母親 Bに連れられて高校のカウンセリングルームの公認心理師 Cのもとへ相談に訪れた。Aは、1か月ほど前から、外出すると自分が見張られており、家の中にいても外から監視されていると感じ、怖くてたまらなくなった。「見張られていること、監視されていることは間違いない」、「自分が考えていることが他者に伝わってしまう」と Aは言う。Aに身体疾患はなく、薬物の乱用経験もない。Bは、「カウンセリングによって Aの状態を良くしてほしい」と Cに伝えた。
この時点での Cによる対応として、最も適切なものを1つ選べ。
この時点での Cによる対応として、最も適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第5回 (2022年) 問141(午後 問64) (訂正依頼・報告はこちら)
17歳の男子 A、高校2年生。Aは、監視されているという恐怖のため登校できなくなり、母親 Bに連れられて高校のカウンセリングルームの公認心理師 Cのもとへ相談に訪れた。Aは、1か月ほど前から、外出すると自分が見張られており、家の中にいても外から監視されていると感じ、怖くてたまらなくなった。「見張られていること、監視されていることは間違いない」、「自分が考えていることが他者に伝わってしまう」と Aは言う。Aに身体疾患はなく、薬物の乱用経験もない。Bは、「カウンセリングによって Aの状態を良くしてほしい」と Cに伝えた。
この時点での Cによる対応として、最も適切なものを1つ選べ。
この時点での Cによる対応として、最も適切なものを1つ選べ。
- Aに対して支持的心理療法を開始する。
- しばらく様子を見ることを Aと Bに伝える。
- Aに対して集団での SSTへの参加を勧める。
- 薬物療法が有効である可能性を Aと Bに説明する。
- Bの意向を踏まえて、Aに対してカウンセリングを開始する。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題の正解は、薬物療法が有効である可能性を Aと Bに説明する。 です。
本問でのAの状態は、”Aは、1か月ほど前から、外出すると自分が見張られており、家の中にいても外から監視されていると感じ、怖くてたまらなくなった。「見張られていること、監視されていることは間違いない」、「自分が考えていることが他者に伝わってしまう」と Aは言う。Aに身体疾患はなく、薬物の乱用経験もない。” とされています。
自分が監視されていると感じる、思考が他者に伝わるといった内容は統合失調症を示唆する特徴的な陽性症状です。また、症状の出現は1か月前とされていて発症からそれほど時間は経過していないため、最も適切な対応は薬物療法であると考えられます。
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02
この事例では、まず男子Aの状態を整理しましょう。
男子Aには、「見張られている」「監視されている」と感じる、「自分の考えている事が他者に伝わってしまう」と感じるなどの症状があります。
これらについて、統合失調症の陽性症状の可能性に気づく事が重要です。
その見立ての上で、適切な対応を検討しましょう。
誤りです。
陽性症状のある状態では、校内で支持的心理療法を実施するよりも、医師による治療が必要と考えられます。男子Aの状態によっては、支持的心理療法が適さない事も予想されます。
誤りです。
陽性症状のある状態ですので、見守るだけでなく、医師による治療が必要と言えます。
誤りです。
統合失調症に対してはSSTなどを取り入れる場合もありますが、それ以前に、医師による診断や薬物療法が必要と考えられます。
正解です。
男子Aの症状に対して、薬物療法は有効と考えられます。その説明をした上で、医療へ繋ぐ事が重要です。
誤りです。
陽性症状のある状態では、カウンセリングよりも医師による治療や服薬が優先されるべきです。男子Aの状態によっては、カウンセリングが適さない可能性もありますので、家族の意向だけで実施すべきではないと考えます。
事例検討では、精神疾患や障害の特徴的な症状をよく理解しておく事が重要です。また、それに対して公認心理師がアプローチできる事、もしくは、できない事の判断も求められています。特に、医療などの他機関へ繋ぐ必要性について、適切に判断できる力が大切です。
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03
以下に解説します。
支持的心理療法も重要ですが、Aの状態が深刻である場合、まず精神科的な評価を受け、薬物療法が必要な場合もあることを説明することが先決です。
Aの状態が急を要するものであり、様子を見るだけでは適切な対応とは言えません。早期の評価と対応が求められます。
社会技能訓練(SST)は別のアプローチで、まずはAの症状に焦点をあてた適切な治療が必要です。
正解です。Aの症状は、外部からの監視に関する恐怖や思考の干渉といった特徴があり、これが精神疾患の初期症状である可能性があります。
カウンセリングを行うことは大切ですが、Aの状態が深刻であり、まずは精神科的な評価と薬物療法の可能性を検討することが先です。
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