公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午後 問71
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問題
公認心理師試験 第5回 (2022年) 午後 問71 (訂正依頼・報告はこちら)
20歳の男性 A、大学工学部の2年生。Aからの申出はないが、Aの家族 Bより、実験のあった日の Aの疲労が激しいため、サポーターをつけてほしいと、学生相談室のカウンセラー Cに相談があり、CはA及びBと3者面談を行った。Aは、小学校高学年時に児童精神科を受診し、発達障害の診断を受けた。以後、高校までは、授業中の課題や宿題について代替措置を講じてもらうなどの配慮を受けてきた。大学では、実験の際、指示の理解に時間がかかり、また手先が不器用で器具の扱いがスムーズにできないことで、教員にしばしば注意されている。授業時間が終わっても、居残りで実験をすることが多い。
合理的配慮について、Cの Bへの対応として、最も適切なものを1つ選べ。
合理的配慮について、Cの Bへの対応として、最も適切なものを1つ選べ。
- 支援方法は Aと Cの合意によって決められると説明する。
- Aの精神障害者保健福祉手帳の取得が必須であると説明する。
- 合理的配慮を受けるには心理検査の結果が必要であることを説明する。
- Aが、授業を担当する教員に配慮内容について直接交渉する必要があると説明する。
- Cは、Aの意思を尊重しながら大学の学生支援の担当者に伝え、支援を依頼できると説明する。
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この過去問の解説 (2件)
01
20歳の大学工学部2年生Aに関する合理的配慮について解説します。
Aの家族Bより、実験のあった日のAの疲労が激しいため、サポーターをつけてほしいと、学生相談室のカウンセラーCに相談があり、CはA及びBと面談を行いました。Aは、過去に発達障害の診断を受けており、大学での授業や実験においても配慮が必要であることが分かっています。
障害者差別解消法の合理的配慮に基づき対応を検討しましょう。
適切な支援方法を決めるためには、AとCの合意だけでなく大学との協議が必要です。
Aの精神障害者保健福祉手帳の取得が必須であることはありません。手帳を持っている場合は、適切な支援を受けることができますが、手帳を持っていなくても、合理的配慮の対象となることがあります。
心理検査の結果が必要な場合もありますが、必ずしも必要ではありません。配慮が必要な状況において、Aが支援を受けるための必要な情報を提供することが重要です。
Aが直接教員と交渉する必要はありません。大学は、合理的配慮を受ける権利を持つ学生に対して、支援を提供する責任があります。
最も適切な答えは、Cは、Aの意思を尊重しながら大学の学生支援の担当者に伝え、支援を依頼できると説明することです。大学は、合理的配慮を受ける権利を持つ学生に対して、適切な支援を提供する責任があります。
大学には、合理的配慮を受ける権利を持つ学生に対して、適切な支援を提供する責任があります。学生支援の担当者は、学生の意向を尊重しながら、最適な支援方法を考える必要があります。
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02
誤りです。正解は
Cは、Aの意思を尊重しながら大学の学生支援の担当者に伝え、支援を依頼できると説明する。
です。
各選択肢については以下の通りです。
誤りです。支援に関する内容の決定には、AとCの合意ではなく、大学との協議が必要となります。
誤りです。精神障害者保健福祉手帳といった書類は、支援が必要かどうか判断するための根拠として有効ではありますが、本問の状況で支援を依頼するために取得は必須ではありません。
誤りです。先述の通り、心理検査の結果は、支援が必要かどうか判断するための根拠として有効ではありますが、本問の状況で支援を依頼するために取得は必須ではありません。
誤りです。Aが直接交渉することが困難である等の場合、本人がそれを行う必要はありません。
正解です。支援を実施する大学にAに関する依頼をすることは、カウンセラーの役割として適切です。
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