公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午後 問73
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問題
公認心理師試験 第5回 (2022年) 午後 問73 (訂正依頼・報告はこちら)
A社は、創業50年になる機械製造業の老舗である。ここ数年、心の健康問題を抱える従業員の割合が高止まりの傾向にあり、新しい経営陣が職場環境改善に取り組むことになった。企業内の公認心理師 Bが、メンタルヘルス推進担当者の会議に向けて、何人かの従業員にヒアリングを実施したところ、過去の高業績に貢献した古参の従業員の発言力が強く、若手の従業員は意見が軽視されて、勤労意欲の低下がみられるということであった。
その背景にある A社の組織の特徴として、最も適切なものを1つ選べ。
その背景にある A社の組織の特徴として、最も適切なものを1つ選べ。
- 安全文化
- 権限委譲
- 属人思考
- 法令遵守
- 役割葛藤
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この過去問の解説 (2件)
01
A社は機械製造業の老舗で、近年従業員の心の健康問題が増加していることから、新しい経営陣が職場環境改善に取り組むことになりました。この中で、公認心理師Bが行ったヒアリングによって、古参の従業員が意見の主導権を握っていることが判明しました。
その背景にあるA社の組織の特徴について、以下で解説します。
問題文には、役割葛藤や法令遵守、安全文化などの組織特徴が挙げられていますが、これらは問題文には関係がありません。
権限委譲とは、管理職や上司が部下に権限を委譲することで、現場レベルでの自主性や創造性を引き出すことができます。しかし、問題文にはこのような権限委譲が行われているという記述はありません。
属人思考とは、個人的な経験や価値観に基づいた判断をすることで、組織全体の意思決定に影響を与えることがあります。問題文には、古参の従業員が意見の主導権を握っているとあります。これは、属人思考が強く働いていることを示唆しています。
法令遵守とは、企業が法律や規制を遵守することであり、問題文には関係がありません。
役割葛藤とは、役割や責任が重複したり、競合する場合に起こる問題であり、問題文には関係がありません。
問題文の中で、古参の従業員が意見の主導権を握っていることが説明されています。その背景には、属人思考が働いていることが考えられます。
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02
この問題の正解は、属人思考 です。
各選択肢については以下の通りです。
誤りです。安全文化とは、チェルノブイリ原発事故の検討に関するレポート中でうまれた用語であり、”原子力発電所の安全の問題には、その重要性にふさわしい注意が最優先で払われなければならない。安全文化とは、そうした組織や個人の特性と姿勢の総体である。”とされています。
このような安全に注意を払う姿勢といったニュアンスは、本問には見られません。
誤りです。権限委譲とは、ある目的の達成のために上司が部下に権利を委譲して、生産性を上げることに加えて社員の能力向上を目指すことです。 本問には適しません。
正解です。意見の善悪を判断する際、その内容ではなく、どのような地位の人の意見かどうかを重視するという考えです。本問の状況はこれに該当します。
誤りです。法令遵守は、コンプライアンスともよばれ、法令や会社の規則、社会的ルールなど決まり事に従うということです。本問の状況には適しません。
誤りです。役割葛藤とは、自身が果たさなければならない役割において矛盾したものが存在する場合、そこで葛藤が生じることです。本問の状況には適しません。
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