公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午後 問32

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問題

公認心理師試験 第6回 (2023年) 午後 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

機能性消化管疾患として、最も適切なものを1つ選べ。
  • クローン病
  • 大腸憩室炎
  • 潰瘍性大腸炎
  • 大腸ポリープ
  • 過敏性腸症候群

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この過去問の解説 (2件)

01

機能性消化管疾患は腸管と脳の相互作用による疾患です。消化器症状があるにも関わらずその原因となる所見が見当たらない疾患となります。

選択肢1. クローン病

消化管に炎症が生じる疾患です。

選択肢2. 大腸憩室炎

憩室と呼ばれる消化管の壁にできたくぼみに炎症が生じる疾患です。

選択肢3. 潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜に炎症が生じる疾患です。

選択肢4. 大腸ポリープ

大腸の壁がいぼのように盛り上がり突き出ている状態を大腸ポリープと呼びます。

選択肢5. 過敏性腸症候群

精神的ストレスや自律神経失調などの原因で腸の働きに異常が生じ下痢や便秘を引き起こす症候群です。

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02

機能性消化管疾患とは、消化器症状があっても、気質的な異常が認められない場合を言います。

代表的なものとしては、過敏性腸症候群、胃食道逆流症、機能性ディズペプシアなどが挙げられます。

よって、この問題の正答は「過敏性腸症候群」です。

それぞれの選択肢について見てみましょう。

選択肢1. クローン病

誤りです。

「クローン病」とは、「炎症性腸疾患」の一つで、腸に炎症が起きる病気です。口から肛門までの消化器官の全てに、びらん(ただれ)や潰瘍ができる可能性があります。

原因不明で、長期間の治療が必要となる慢性の疾患であり、指定難病になっています。

選択肢2. 大腸憩室炎

誤りです。

「大腸憩室炎」とは、大腸壁に5~10mm程度のへこみ(憩室)ができる病気です。

通常は無症状ですが、憩室部の血管が破れる、細菌が感染するなどの合併症が起きる場合もあります。

選択肢3. 潰瘍性大腸炎

誤りです。

「潰瘍性大腸炎」とは、「炎症性腸疾患」の一つで、大腸の粘膜にびらん(ただれ)や潰瘍ができる病気です。直腸から口の方向に広がる性質があります。

原因不明で、長期間の治療を必要とする慢性疾患であり、指定難病になっています。

クローン病と似ていますが、潰瘍性大腸炎はびらんや潰瘍が連続的に続いていき、クローン病は病変と病変の間に正常な部分があり連続的でないという点で違いがあります。

選択肢4. 大腸ポリープ

誤りです。

「大腸ポリープ」は、大腸壁の一部できる「いぼ」のような隆起性の病変を言います。癌になる可能性があるポリープとならないポリープとに分けられます。

癌になる可能性があるポリープの場合でも、早期に発見し、切除することで癌を予防する事につながります。癌にならないポリープでは、多くの場合は症状は出ず、そのまま様子を見る事ができます。ただし、ポリープの位置や大きさによっては、出血などの症状が出るため、切除などの治療を行う場合もあります。

選択肢5. 過敏性腸症候群

正答です。

「過敏性腸症候群」とは、腸に気質的な異常は見られなくても、慢性的な腹痛や下痢、便秘などの症状が出る事を言います。ストレスや自律神経の乱れなどによって生じると考えられています。治療としては、生活習慣の改善や薬物療法が行なわれます。

まとめ

カウンセリングを行う中で、機能性消化管疾患と診断を受け、生活に支障が出ている方に出会う事も多くあります。疾患の特徴や治療法について基本的な知識を持っておく事が、クライエントの理解に繋がります。

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