公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午後 問60
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問題
公認心理師試験 第6回 (2023年) 午後 問60 (訂正依頼・報告はこちら)
20歳の女性A、大学生。アルバイトをしている。Aはアルバイト先の店長Bが特定の従業員Cをひいきして手伝ったことについて、その原因を判断しようとしている。その際、BがCではない他の従業員の手伝いをしているかどうか、BはいつもCを手伝っているかどうか、他の従業員もCを手伝っているかどうか、という3種類の情報に基づいてBの行動の原因を判断しようとした。
Aが依拠している原因帰属のモデルとして、最も適切なものを1つ選べ。
Aが依拠している原因帰属のモデルとして、最も適切なものを1つ選べ。
- 連続体モデル
- 3段階モデル
- 感情混入モデル
- 分散分析モデル
- 自己評価維持モデル
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この過去問の解説 (2件)
01
選択肢の各モデルの内容を確認していきましょう。
連続体モデルは他者の印象を形成する過程に関するモデルです。
連続体モデルでは、まず対象者の所属するカテゴリーから印象が形成され、その後詳細な情報を得て当初の印象が修正されるとしています。
よって今回の原因帰属のモデルとしては不適切です。
3段階モデルは、ある行動を起こした他者に対して、なぜその行動を起こしたのか考えたときに、その他者の内的属性に原因帰属をしやすいことを説明するモデルです。
よって今回の原因帰属のモデルとしては不適切です。
感情混入モデルとは、判断を下すときに感情が認知にどのように影響を与えるかというモデルですので、今回の原因帰属のモデルとしては不適切です。
分散分析モデルとは、行動の原因を「合意性」「弁別性」「一貫性」の3つの情報に基づいて説明するものです。
・合意性:その人だからその行動をとったのかどうか
・弁別性:その状況だからその行動をとったのかどうか
・一貫性:その時間だからその行動をとったのかどうか
よって本問でAが収集する情報と一致するため、適切な選択肢となります。
自己評価維持モデルとは、人の行動は自分の評価を維持したいという動機で維持されているというモデルのですので、今回の原因帰属のモデルとしては不適切です。
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02
この問題では、原因帰属のモデルについての理解が問われています。
原因帰属とは、ある結果の原因がどこにあるのかを考えるプロセスの事を言います。
この事例で、Aは3つの情報から原因を考えようとしています。
一つ目の情報は「BがCではない他の従業員の手伝いをしているかどうか」
二つ目は「BはいつもCを手伝っているかどうか」
三つ目は「他の従業員もCを手伝っているかどうか」
3つの情報から、対象者(ここではB)の行動が起きた時には存在していて、起きなかった時には存在していなかった要因を整理していきます。
つまり、対象者の行動が、その対象者個人に原因があるのか、行動を受ける人(ここではC)にあるのかを考えようとしていると言えます。
また、この3つの情報の基準は、次のように考える事ができます。
一つ目の情報は「対象者が誰に対しても同じように行動するのか(合意性)」
二つ目は「対象者がいつも同じような行動をするのか(一貫性)」
三つめは「対象者以外の人も同じような行動をするのか(弁別性)」
このような基準から原因を考える方法を「分散分析モデル」と呼び、この問題の正答となります。
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