一級建築士の過去問
平成27年(2015年)
学科4(構造) 問77

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問題

一級建築士試験 平成27年(2015年) 学科4(構造) 問77 (訂正依頼・報告はこちら)

建築基準法における建築物に作用する地震力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 建築物の地上部分における各層の地震層せん断力係数Ciは、最下層における値が最も大きくなる。
  • 地下部分の地震層せん断力は、「地下部分の固定荷重と積載荷重との和に、当該部分の地盤面からの深さに応じた水平震度kを乗じて求めた地震力」と「地上部分から伝わる地震層せん断力」との和である。
  • 建築物の設計用一次固有周期Tが長い場合、第一種地盤より第三種地盤のほうが建築物の地上部分に作用する地震力は大きくなる。
  • 第一種地盤で、建築物の設計用一次固有周期Tが長い場合、振動特性係数Rtの値は、Tが長くなるほど小さくなる。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.誤りです。
地震層せん断力係数Ciは、Ci=Z・Rt・Ai・Coより求められますが、このうち、地震層せん断力係数の高さ方向の分布係数Aiは、地上部分最下層では、Ai=1,0であり、上層になるほど大きな値となります。その他のZ、Rt、Coは、対象建築物に対してそれぞれ一つの値であります。よって、地震層せん断力係数Ciは、最下層における値が最も小さくなります。

2.設問の通りです。
地下部分の地震力=(固定荷重+積載荷重)×水平震度
地下部分の地震層せん断力=(固定荷重+積載荷重)×水平震度+「地上部分から伝わる地震層せん断力」
から求めることができます。

3.設問の通りです。
第1種地盤=硬質
第2種地盤=普通
第3種地盤=軟弱

4.設問の通りです。
振動特性係数R1は、建築物の設計用一次固有周期Tが長くなるほど、大きくなる。

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02

1 ×
地震層せん断力(Qi)=i層の地震層せん断力係数(Ci)×i層が支える部分の固定荷重と積載荷重との総和(Wi)で求められます。階数によって変動するのは係数Ciではなく、Wiです。
また、最下層ではWiが最も大きくなるため、Qiも大きくなります。

2 〇
水平震度で計算した地下部分の地震力と、地下部分の最下層の地震力せん断力の和で地下部分の地震層せん断力が求まります。

3 〇
建物の固有周期が長い場合は第三種が最も大きくなります。
第一種(硬質)<第二種(普通)<第三種(軟弱)

4 〇
設計用一次固有周期Tが0.4(第一種)秒より長い場合、振動特性係数Rtは、Tが長くなるほど小さくなります。

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03

1.誤り。
建築物の地上部分における各層の地震層せん断力Qiは、固定荷重と積載荷重の和ΣWi(多雪区域ではさらに積雪荷重を加える)に、地震層せん断力係数Ciを乗じて求めます。
 Qi=(ΣWi)×Ci
したがって、最下層ではΣWi(固定荷重と積載荷重の和)が大きくなり、地震層せん断力Qiは、最も大きくなります。

2.設問の通り。
① 地下部分の地震力
  =(固定荷重+積載荷重)×水平震度
② 地下部分の地震層せん断力
  =(固定荷重+積載荷重)×水平震度
   +「地上部分から伝わる地震層せん断力」
せん断力は応力の一つですから、求めようとする点で切断して片側に働く力を求めます。すなわち、「地下部分に直接働く地震力①」と「地上部分から伝わる地震層せん断力」の和になります。

3.4. 設問の通り。
第1種地盤=硬質
第2種地盤=普通
第3種地盤=軟弱

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