一級建築士の過去問
平成28年(2016年)
学科1(計画) 問5
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問題
一級建築士試験 平成28年(2016年) 学科1(計画) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
建築物とその周辺環境に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 高層建築物の計画において、地表面付近の風速増加率は、計画地の周囲に建築物がない場合に比べ、周囲に低層建築物群がある場合のほうが大きくなる傾向がある。
- 建築物の周辺の気流は、「建築物の高さ( H )と建築物の間隔( W )の比( H/W )」や「街区面積に対して建築物が占める割合」により大きく影響される。
- 高層建築物の計画において、床面積が大きい低層部を設け、当該低層部の屋根の上部に強風を発生させる計画とすると、建築物周辺の歩行者へのビル風の影響が少なくなる。
- ビル風対策としての植栽計画においては、耐風性の高い樹種を選定するとともに、低木を避け高木を風向きと平行となる向きに並べて配置することが有効である。
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この過去問の解説 (3件)
01
[風速増加率]
建設前後での地上風速の増加の割合
(=建設後の風速/建設前の風速)
高層建物建設前の風速を比較すると、
周囲に建物がなく平坦
=風を遮るものがない…風速[大]
低層建物や樹木等が立ち並ぶ
=風を遮るものがある…風速[小]
高層建物建設後、両者ともビル風の影響により風速は大きくなりますが、前
述の計算式により、建設前の値が小さい程、増加の割合すなわち増加率は大
きくなります。
2. 設問の通り
建築物周辺の気流は、
・建物高さが高いほど
・建物間隔が狭いほど
・街区面積に対し建ぺい率が大きいほど
大きくなります。
3. 設問の通り
低層階部分の水平投影面積が大きい、墓石のような形状の高層建築物とした
場合、地上部分のビル風の影響は小さくなります。
4. 誤り
有効に風を遮るように、風向きと平行ではなく、「直角」となるように配置
します。
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02
風速自体は周囲に建築物がないほうが大きくなりますが、風速増加率は周囲に低層建築物がある方が大きくなります。
2.[正]
建築物周辺の気流は建築物と高さと間隔の比や街区面積に占める建築物の割合によって大きく影響されます。
3.[正]
低層部を設けることで高層部からの吹き下ろしが歩行路まで到達することを避けることができます。
4.[誤]
ビル風は風を受ける面より風を受ける面の直交方向の方が大きくなります。従ってビル風対策としての植栽は風向きと直角に配置します。
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03
2.設問通り、適当です。
3.設問通り、適当です。
4.誤りです。
ビル風の対策として植栽を風向きと「直角」に配置します。この時、高木と低木を組み合わせて配置することで、強く吹くビル風を和らげる効果が期待できます。
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