一級建築士の過去問
平成28年(2016年)
学科1(計画) 問6

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問題

一級建築士試験 平成28年(2016年) 学科1(計画) 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

自然エネルギーを利用したパッシブデザインに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 十分な日射が得られる北緯35度の地点において、建築物が受ける日射量は、冬期においては南面が多く、夏期においては水平面・東西面が多いことから、集熱窓を、南面で大きく、東西面で小さくすることが省エネルギー上有効である。
  • パッシブクーリングの原則は、日射熱の侵入を極力排除したうえで通風を図り、自然エネルギーの利用により室内空気を冷やすことである。
  • コンクリート躯体を蓄熱体として利用するためには、「外断熱とすること」、「開口部からの日射を直接コンクリート躯体に当てること」、「コンクリート躯体を直接室内に露出させること」等が有効である。
  • クールチューブは、外気温が低下する夜間に自然通風を図り、居住者に涼感を与えるとともに、室内の蓄熱体の温度を下げ、翌日の室温上昇を抑える方式である。

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この過去問の解説 (3件)

01

[パッシブデザイン]
空調設備などの機械的手法(アクティブデザイン)を使わず、太陽光熱や風などの自然エネルギーを利用する設計手法のことを言います。

1. 設問の通り
 北緯35度の日射量は、
 冬:南>水平>東西
 夏:水平>東西>南>北
 年間:夏至水平>冬至南>夏至東西>冬至水平>夏至南

 上記より、集熱窓を南面で大きく、東西面で小さくし日射量を調整すること
 で、暖房・冷房エネルギーの削減に有効となります。

2. 設問の通り
 [パッシブクーリング]
 自然エネルギーを利用し冷房効果を得る方法。
 日射熱を遮蔽し、通風を確保することが有効となります。

3. 設問の通り

4. 誤り
 [クールチューブ]
 アースチューブと呼ばれる地中に埋めたチューブ内部の空気を、地中熱を利
 用し冷却して室内へ取り入れるシステムです。また、冬は空気を加熱して取
 り入れます。(ヒートチューブ)

 設問は[ナイトパージ]の説明です。

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02

1.[正]
太陽高度は冬に低く、夏に高いため日射量は冬期は南鉛直面、夏期は水平面と東西面が大きくなります。
従って集熱窓は南面で大きく、東西面で小さくすることは省エネルギー上有効です。
2.[正]
パッシブクーリングは空調機等を利用せず通風等の自然エネルギーにより室内空気を冷やすことです。
3.[正]
コンクリートを蓄熱体として利用する場合は日射や暖房により得た熱を外部に逃さず、室内で利用することが重要です。設問のような措置は有効です。
4.[誤]
クールチューブは地中に通したチューブ内の空気を地中熱を利用して夏期は冷却、冬期は加熱するシステムです。
設問はナイトパージの説明です。

参考になった数8

03

1.設問通り、適当です。
2.設問通り、適当です。
3.設問通り、適当です。
4.誤りです。
「クールチューブ」は地中埋設管に外気を取り込み、地中の恒温性を利用して外気の予熱・予冷を行うシステムです。設問の記載は、「ナイトパージ」に関するものです。

参考になった数5