一級建築士の過去問
平成28年(2016年)
学科4(構造) 問99
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問題
一級建築士試験 平成28年(2016年) 学科4(構造) 問99 (訂正依頼・報告はこちら)
鋼材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 建築構造用TMCP鋼は、化学成分の調整と水冷型熱加工制御法により製造され、板厚が40mmを超え100mm以下の材であっても、40mm以下の材と同じ基準強度が保証されている。
- SN材C種は、B種の規定に加えて板厚方向の絞り値の下限が規定されており、溶接加工時を含め板厚方向に大きな引張応力が発生する角形鋼管柱の通しダイアフラム等に用いられている。
- SN490B材は、SS400材に比べて、降伏点、引張強さ、ヤング係数のいずれも大きい。
- ステンレス鋼は、約11%以上のクロムを含む合金鋼であり、炭素鋼に比べて、耐食性、耐火性等に優れている。
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この過去問の解説 (3件)
01
TMCP鋼(熱加工制御鋼)についての正しい記述です。通常、鋼材は板厚が厚くなると、熱処理時の冷却にムラができやすく降伏点が低下するため、基準強度を低減して計画する必要がありますが、TMPC鋼は板厚が厚くなっても(40<t≦100)、同じ基準強度が保証されています。
2. 設問の通り
SN材(建築構造用圧延鋼材)には下記の通り使用部位の違いがあります。
・A種…溶接のない補助部材(小梁や間柱等)に用いる
・B種…塑性変形性能が保証されているため、主要構造部材(柱・大梁)また
は溶接する部材に用いる
・C種…B種の性能に加え、板厚方向の引張力に対する性能があるため、板
厚方向に引張力を受ける部材(通しダイアフラム等)に用いる
3. 誤り
鋼材のヤング係数は強度に関わらず「一定」(2.05x10⁵N/㎟)です。
降伏点、引張強さは設問の通りSN490B>SS400となります。
4. 設問の通り
ステンレス鋼についての正しい記述です。
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02
建築構造用TMCP鋼は板厚が40㎜を超え100㎜以下の材であっても
40㎜以下の材と同じ基準強度が保証されます。
2.適当です。
SN材C種は、B種の規定に加えて
板厚方向の絞り値の下限が規定されており
溶接加工時を含めて板厚方向に大きな引張応力が発生する
角形鋼管柱の通しダイアフラムの部位への使用が有効です。
3.不適当です。
SN490B材はSS400材に比べて
降伏点と引張強さは大きいが
ヤング係数は変わらずらず一定です。
4.適当です。
ステンレス鋼は約11%以上のクロムを含む合金鋼です。
炭素鋼に比べて、耐食性・耐低温性・耐火性等に優れています。
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03
1:設問通りです
TMCP鋼は、板厚が40mmを超え100mm以下の材であっても基準強度の低減が不要で40mm以下の材と同じ基準強度が保証されております。
2:設問通りです
SN材のC種にはB種の性能に加え、板厚方向の引張力に対する性能があるため、板厚方向に引張力を受ける通しダイアフラム等に用います。
3:誤りです
鋼材のヤング率は強度に関わらず一定(2.05×10⁵N/mm²)です。
4:設問通りです
ステンレス鋼は耐食性に優れ、熱伝導率が軟鋼の1/3と小さく、高温時の耐力低下が小さいため耐火性に優れております。
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