一級建築士の過去問
平成28年(2016年)
学科4(構造) 問100
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問題
一級建築士試験 平成28年(2016年) 学科4(構造) 問100 (訂正依頼・報告はこちら)
建築物の総合的な構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 建築物の耐火設計については、火災終了まで、建築物を崩壊・倒壊させないことを目標とする。
- 床の積載荷重や部材断面設計において、適度に余裕をもたせて設計することは、イニシャルコスト増となるが、一般に、建築物の寿命を延ばし、ライフサイクルコストの節減に結びつく。
- 平面が不整形な建築物をエキスパンションジョイントを用いて整形な建築物に分割すると、一般に、構造体の地震時の挙動が明確になるが、温度応力やコンクリートの乾燥収縮に対しては、不利になる。
- 中間階免震構造を採用し、免震層を居室として使用する場合、火災時を考慮して、免震支承に耐火被覆を施す。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:設問通りです
耐火設計では、火災時において避難の安全性や消火活動、周囲への危害を考慮して、火災終了まで建築物を崩壊・倒壊させないことを目標とします。
2:設問通りです
適度に余裕を見た設計を行うことでイニシャルコスト(初期費用)が増す分、一般に建築物の寿命が延びるのでライフサイクル(建築の一生に必要な総費用)の節約を行うことができます。
3:誤りです
エキスパンションジョイントは地震時の建築物の挙動の改善だけではなく、温度応力やコンクリートの乾燥収縮にも対応することができるので不利になるとは言えません。
4:設問通りです
中間階免震構造を採用し、免震層を居室として使用する場合はアイソレータは柱の一部とみなされるため上下階の変位差に耐えられる耐火被覆を施す必要があります。
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02
建築物の耐火性能については
火災終了まで建築物を崩壊・倒壊させない事を
目標とします。
2.適当です。
床の積載荷重や部材断面設計において
適度に余裕を持って設計する事は
イニシャルコストの増加となるが
建築物の寿命を延ばす為
ライフサイクルコストの節減に繋がります。
3.不適当です。
不整形な建築物をエキスパンションジョイントを
用いて整形な建築物に分割すると
構造体の地震時の挙動が明確になるだけでなく
温度応力やコンクリートの乾燥収縮に対しても有利になります。
4.適当です。
低層部と高層部を有する建築物では
高層部の始まる中間階に免震装置を設ける場合があります。
中間階などの火災が発生する恐れのある場所に
免震支承(アイソレータ)を設ける場合
ゴムや樹脂等が用いられている為
耐火被覆が必要となります。
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03
建築基準法では、火災終了まで建物を崩壊させないことを目標性能とし、主要構造部の耐火性能を確保し、火災によって建物の倒壊を生じさせないことを要求しています。
2. 設問の通り
床の積載荷重や部材断面設計において適度に余裕を持たせて設計することによってイニシャルコストは上がるが、一般に、建築物の寿命を延ばし、修繕費の削減が期待できるので、ライフサイクルコストの節減に結びつきます。
3. 誤り
エキスパンションジョイントを用いて不整形な建築物を分割することによって、地震時のみではなく、鋼材の温度変化による温度応力や、コンクリートの乾燥収縮による応力や変形についても対応することができます。
4. 設問の通り
免震支承(アイソレーター)には、ゴムや樹種等が用いられているため、免震層を中間階などの火災の恐れがある場所に設置する場合は、免震支承に耐火被覆などの対策を施す必要があります。
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