一級建築士の過去問
平成30年(2018年)
学科4(構造) 問71
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問題
一級建築士試験 平成30年(2018年) 学科4(構造) 問71 (訂正依頼・報告はこちら)
図-1のような等質な材料からなる断面が、図-2に示す垂直応力度分布となって全塑性状態に達している。このとき、断面の図心に作用する圧縮軸力Nと曲げモーメントMとの組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、降伏応力度はσyとする。
- N:4a2σy ------ M:10a3σy
- N:4a2σy ------ M:20a3σy
- N:8a2σy ------ M:10a3σy
- N:8a2σy ------ M:20a3σy
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この過去問の解説 (3件)
01
まず、この問題を解くにあたって
垂直応力分布において影響断面の算定のために
軸力によるものと曲げモーメントによるものを分類していきます。
曲げモーメントに注目すると図心を対象に両端aの部分にそれぞれ圧縮応力と曲げ応力がかかることがわかります。
したがって、軸力の影響断面はその間にある4aの範囲にあることがわかります。
・軸力Nは以下の式で求められます。
σ=N/A→N=σA (σ:応力 A:断面積)
σ=σy
A=4a×a+4a×a=8a²
したがって
N=σ×A=8a²σy
・曲げモーメントは以下の式で求められます。
M=σ×A×y (y:図心からの距離)
σ=σy
A=4a×a=4a²
y=2.5a
曲げモーメントは両端にかかっているので
M=σ×A×y
=2×σy×4a²×2.5a=20a³σy
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02
この問題は、等質な材料からなる断面が、全塑性状態に達している時の圧縮軸力Nと曲げモーメントMを求める計算問題です。
軸方向力と曲げによる垂直応力度分布を分けて考えます。解き方をしっかり理解しましょう。
図2のように圧縮軸力、曲げモーメントが作用する場合、中央部(4aの範囲)に軸方向力が寄与し、外側の部分(aの範囲)に曲げモーメントが偶力となって寄与しています。
【軸方向力による垂直応力度分布】
中央部(4aの範囲)の圧縮合力をC1とすると
N = C1 = (図1の中心部の断面積) × σy
= (a × 4a + a × 4a) × σy
= 8a2σy
となります。
【曲げによる垂直応力度分布】
外側の部分(aの範囲)の引張合力をT、圧縮合力をC2とすると
T = C2 = (図1の外側の断面積) × σy
= 4a × a × σy
= 4a2σy
よって、応力中心間距離をjとすると、
M = C2 = T × j = C2 × j
= 4a2σy × 5a
= 20a3σy
となります。
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03
N={a×(2a×2a)+a×(2a+2a)}×σy=8a²σy
次に曲げ垂直応力度分布を求めます。
引張合力={a×(2a×2a)}×σy=圧縮合力
よって、M=引張合力×5a=圧縮合力×5a
M=4a²σy×5a=20a³σy
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