一級建築士の過去問
平成30年(2018年)
学科4(構造) 問85

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

一級建築士試験 平成30年(2018年) 学科4(構造) 問85 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨構造の溶接接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 溶接金属の機械的性質は溶接施工条件の影響を受けることから、溶接に当たっては、溶接部の強度を低下させないために、パス間温度が規定値より小さくなるように管理する。
  • 溶接継目ののど断面に対する長期許容せん断応力度は、溶接継目の形式が「完全溶込み溶接の場合」と「隅肉溶接の場合」とで同じである。
  • 柱梁接合部の梁端部フランジの溶接接合においては、梁ウェブにスカラップを設けないノンスカラップ工法を用いることにより、塑性変形能力の向上が期待できる。
  • 組立溶接において、ショートビード(ビードの長さが短い溶接)は、冷却時間が短いことから、塑性変形能力が低下する危険性や低温割れが生じる危険性が小さくなる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

1 正。入熱・パス間温度は溶接金属の強度・靭性に影響を与えます。
入熱・パス間温度が高くなるほど溶接部強度は低くなるので、溶接部の強度を低下させないためにパス間温度が規定値より小さくなるように管理します。

2 正。建築基準法施行令第92条により、長期許容せん断応力度は継目の形式によらずF/(1.5√3)です。

3 正。

4 誤。組立溶接においてはビードの長さは、
板厚6mm以下は30mm、
板厚が6mmを超える場合は40mm
を最小とします。
ショートビードは溶接割れの原因となるため避けます。

参考になった数8

02

1. 設問の通り
  入熱、パス間温度が高くなると、溶接部の強度低下及び靱性低下の原因と
  なるので、パス間温度が上限値を超えないように管理します。

2. 設問の通り
  長期許容せん断応力度は、溶接方法に関わらずF/(1.5√3)です。
  (建基法令92条)

3. 設問の通り

4. 誤り
  ショートビードは、溶接割れの原因となるため、避けなければいけませ
  ん。組立溶接のビード長さは、板厚により適切な長さ以上確保します。
   板厚t ≦ 6 … ビード長30㎜以上
   板厚t > 6 … ビード長40㎜以上

参考になった数6

03

正解は4です。

1.設問の通りです。
溶接は、溶接棒により溶着金属を何回かに分けて盛り上げていきます。溶接棒に沿って行う1回の溶接作業をパスと言います。溶接部の強度を低下させないため、パス間温度が規定値より高くならないように管理します。

2.設問の通りです。
許容せん断応力度は、突合せ溶接でも、突合せ以外でも同じのF/1.5√3(長期)です。

3.設問の通りです。

4.設問の記述は誤りです。
組立溶接のビート長さは、ショートビートとならないようにします。ショートビートの溶接は、冷却速度が速く、低温割れの危険大です。

参考になった数5