一級建築士の過去問
平成30年(2018年)
学科4(構造) 問99

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問題

一級建築士試験 平成30年(2018年) 学科4(構造) 問99 (訂正依頼・報告はこちら)

鋼材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 鋼材は、一般に、炭素含有量が多くなるほど、破断に至るまでの伸びが小さくなる。
  • 建築構造用低降伏点鋼材LY225は、一般構造用圧延鋼材SS400に比べて降伏点が低く、延性が高いことから、履歴型制振ダンパーの材料に用いられている。
  • 降伏点350N/mm2、引張強さ490N/mm2である鋼材の降伏比は、1.4である。
  • 建築構造用圧延鋼材SN490B(板厚12mm以上)は、「降伏点又は耐力」の上限値及び下限値が規定されている。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1.設問の通りです。

鋼材は、一般に炭素含有率が多くなるほど、粘り強さが低下します。なお、炭素含有量が0.8%程度までは、炭素含有量が増すとともに引張強さ、降伏点ともに上昇します。

2.設問の通りです。

地震時のエネルギー吸収を目的として、履歴型制振ダンパーが用いられます。

3.設問の記述は誤りです。

降伏比=(降伏点/引張強さ)=350/490≒0.71です。

4.設問の通りです。

参考になった数7

02

1. 設問の通り
  炭素含有量が多くなるほど、引張強さや硬さが増しますが、伸び(靭性)
  や溶接性が低下します。

2. 設問の通り
  LY225は、伸び性能が40%以上と高く、降伏点も低いので、地震エネルギ
  ーの吸収能力が高いことから、履歴型制振ダンパーの材料に用いられてい
  ます。

3. 誤り
  降伏比r=降伏強さ/引張強さ
  r=350/490 = 0.7
  よって設問の記述は誤りです。

4. 設問の通り
  SN490Bは、強度が高いので一定の靭性も確保するために、降伏点または
  耐力の上限値も規定されています(t≧12)。

参考になった数5

03

1 正。炭素含有量が多くなると、引張強さ・硬さが増す反面、破断に至るまでの伸びが減少します。

2 正。建築構造用低降伏点鋼材LY225は、降伏点が低く地震エネルギーを吸収することから、履歴型制振ダンパーの材料に用いられています。

3 誤。降伏比は以下の式で算定します。
降伏比r=降伏強さ/引張強さ
よって、降伏比r=350/490=0.7
となります。

4 正。

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