一級建築士の過去問
平成30年(2018年)
学科5(施工) 問113

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

一級建築士試験 平成30年(2018年) 学科5(施工) 問113 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 高力ボルト接合における摩擦面は、すべり係数値が0.45以上確保できるように、ミルスケールを添え板全面の範囲について除去したのち、一様に錆(さび)を発生させることとした。
  • I形鋼のフランジ部分における高力ボルト接合において、ボルト頭部又はナットと接合部材の面が1/20以上傾斜していたので、勾配座金を使用した。
  • 溶接接合において、引張強さ490N/mm2以上の高張力鋼及び厚さ25mm以上の鋼材の組立溶接を被覆アーク溶接(手溶接)とするので、低水素系溶接棒を使用した。
  • スタッド溶接において、スタッドの仕上り精度については、仕上り高さを指定された寸法の±5mm、スタッドの傾きを15度以内として管理した。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1.設問の通りです。

高力ボルト接合において、すべり係数が0.45以上確保できる摩擦面の処理方法は、自然発せい、薬剤発せいもしくはブラスト処理のいずれかの方法とします。

2.設問の通りです。

ボルト頭部またはナットと接合部材の面が、1/20以上傾斜している場合は、勾配座金を使用します。

3.設問の通りです。

溶接金属中の水素量が多い溶接棒を使用すると、溶接金属が水素を多量に含むことになり、溶接割れが生じます。高張力鋼及び厚さ25㎜以上の鋼材の組立溶接を被覆アーク溶接で行う場合には、低水素系溶接棒を使用します。

4.設問の記述は誤りです。

スタッド溶接の仕上がり高さの限界許容差は、指定した寸法の±2㎜以内、傾きの限界許容差は5°以内とします。

参考になった数20

02

正解は4です。

1:設問通りです
すべり係数値の確保のために自然発錆やブラスト処理を行います。

2:設問通りです
ボルト頭部又はナットと接合部材の面が1/20以上傾斜している場合、摩擦面の密着性を確保するために勾配座金を使用します。

3:設問通りです
JASS6より400N/mm²級などの軟鋼で板厚25mm以上の鋼材、もしくは490N/mm²級以上の高張力鋼の組立て溶接を被覆アーク溶接で行う場合には低水素系の溶接棒を使用する、とあります。

4:±5mm、15度以内が誤りです。
溶接後の検査において、仕上がり高さの限界は指定寸法の±2mm,傾きの限界許容差は5°以下とします。

参考になった数5

03

1. 設問の通り
  高力ボルトは摩擦抵抗により応力を伝達するため、摩擦面は、すべり係数
  値が0.45以上確保できるよう、ミルスケールを添え板全面の範囲について
  除去したのち、一様に錆を発生させます。

2. 設問の通り
  ボルト頭部またはナットと接合部材の面が1/20以上傾斜している場合は、
  勾配座金を使用します。

3. 設問の通り
  低温割れが発生しやすい高張力鋼や、t25㎜以上の厚板材、高強度の部材の
  溶接には、低水素系溶接棒を用います。

4. 誤り
  スタッドの仕上り精度は、仕上り高さ [±2㎜]、傾き[5度]以内とします。
  よって設問の記述は誤りです。

参考になった数5