一級建築士の過去問
令和元年(2019年)
学科1(計画) 問20

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問題

一級建築士試験 令和元年(2019年) 学科1(計画) 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

建築のマネジメント等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 公共工事におけるECI方式は、設計段階の技術協力の実施期間中に、施工の数量・仕様を確定したうえで工事契約をする方式であり、施工性等の観点から施工者の提案が行われることにより、施工段階における設計変更の発生リスクの減少等が期待できる。
  • 建築物におけるコミッショニングは、一般に、環境・エネルギー性能等の観点から建築物のオーナーやユーザーが求める要求性能を把握して、その要求性能の実現を検証することである。
  • BCPは、企業が災害や事故で被害を受けても、重要な業務が中断しないこと、中断しても可能な限り短い期間で再開すること等、事業の継続を追求するための計画である。
  • CRE戦略は、国や地方公共団体の事業コストの削減や、より質の高い公共サービスの提供を目的として、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営を行う手法である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1:設問通りです。
ECIは、「アーリー・コントラクター・インボルブメント」の略称です。設計段階から施工者が参画し、施工の実施を前提として設計に対する技術協力を行うもので、これにより建設コストの縮減、工期短縮を図ることができます。

2:設問通りです。
「それぞれの設備システムに対して計画、配置、そして機能的な試験が行われ、設計趣旨に沿って確実に作動するよう運転及び保守が可能な状態であることを確かめる過程のことである」と定義されています。

3:設問通りです。
BCPは、ビジネスコンティニュイティプランの略称です。事業の継続のために事前に備えておく計画のことで、自然災害時等のような、企業の事業活動が困難となるリスクの発生時に、重要業務が中断せず、また万一中断したとしても、早期に重要機能を再開することで、中断の際の損失を最小限にすることを目指すものです。

4:設問はPFI(プライベートファイナンスイニシアティブ)の説明になっていますので誤りです。CRE(コーポレートリアルエステイト)は、企業の持つ不動産について企業価値の向上を観点に経営戦略的観点に立って見直しを行い、不動産投資の効率性を向上させることを目的としたものです。

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02

正解は4です。

1.設問の通りです。
ECI方式のECIは「Early Contractor Involvement:早く建設者が関与する」の略です。この方式は設計段階から施工者が関わり、設計に対する技術協力を行う方式なので、建設コストの削減、工期短縮を図れます。

2.設問の通りです。
建築物におけるコミッショニングとは、オーナーやユーザーが求める要求性能を定め、その要求通りに企画・設計・建設・運用されていることを性能検証することです。

3.設問の通りです。
BCPは「Business Continuity Plan」の略語で、事業継続計画を意味します。企業が災害や事故で被害を受けても事業を継続できるようにするために作成する行動計画です。

4.設問の記述はPFI(Private Finance Initiative)の記述になっているため、間違いです。
CRE戦略のCREは「Corporate Real Estate」の略語で、企業が所有・貸借する不動産のことです。
CRE戦略は、企業不動産について、企業価値向上の観点から経営戦略観点に立って見直しを行い、不動産投資の効率性を向上させていく考え方です。

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03

この問題は、建築マネジメントに関する問題です。

用語の意味と特徴をしっかり理解する必要があるため、繰り返し学習しましょう。

選択肢1. 公共工事におけるECI方式は、設計段階の技術協力の実施期間中に、施工の数量・仕様を確定したうえで工事契約をする方式であり、施工性等の観点から施工者の提案が行われることにより、施工段階における設計変更の発生リスクの減少等が期待できる。

正しいです。

ECI(Early Contractor Involvement)方式とは、設計段階で施工の数量・仕様を確定したうえで工事契約をする方式のことです。

設計者の設計に対して、施工性等の観点から施工者の提案が行われるため、施工段階における設計変更の発生リスクの減少等が期待できます。

選択肢2. 建築物におけるコミッショニングは、一般に、環境・エネルギー性能等の観点から建築物のオーナーやユーザーが求める要求性能を把握して、その要求性能の実現を検証することである。

正しいです。

コミッショニング(Commissioning)とは、性能検証のことであり、一般に環境・エネルギー性能等の観点から建築物のオーナーが求める要求性能を把握し、実現されているかの検証を行うことです。

選択肢3. BCPは、企業が災害や事故で被害を受けても、重要な業務が中断しないこと、中断しても可能な限り短い期間で再開すること等、事業の継続を追求するための計画である。

正しいです。

BCP(Business Continuity Management)とは、事業継続計画のことであり、企業が災害や事故で被害を受けても、業務が中断せず、又は、中断しても短い期間で再開すること等、事業の継続を追及するための計画です。

選択肢4. CRE戦略は、国や地方公共団体の事業コストの削減や、より質の高い公共サービスの提供を目的として、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営を行う手法である。

誤りです。

CRE(Corporate Real Estate)戦略とは、企業の不動産について、不動産投資の効率性を最大限向上させていく考え方です。

設問はPFI(Private Finance Initiative)に関する説明文です。

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