一級建築士の過去問
令和元年(2019年)
学科2(環境・設備) 問31
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問題
一級建築士試験 令和元年(2019年) 学科2(環境・設備) 問31 (訂正依頼・報告はこちら)
空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ペリメーターレス化は、ペリメーターゾーンにおける熱負荷を、建築的手法と設備的手法とを組み合わせて可能な限り減少させ、ペリメーターゾーンをインテリアゾーンに近い温熱環境とすることである。
- 熱負荷に応じて送風量を調整する変風量( VAV )方式は、VAVユニットを部屋ごと又はゾーンごとに配置することから、個別の温度制御が可能である。
- 外気冷房は、外気のエンタルピーが室内空気のエンタルピーよりも高い場合に、それらのエネルギーの差を冷房に利用するものである。
- ダブルスキンは、外壁の一部又は全てをガラスの二重構造とし、その中間の空気の換気等による熱負荷低減、及び室内の窓際の環境改善を図ったものである。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:設問通りです。
ペリメータゾーンとは、建築部分の外周部(中間階の外壁から5mの範囲とその他外気に触れる床の直上もしくは直下の空間)のことで、これをもとに年間熱負荷係数PALを求めます。PALは値が小さいほど環境性能が高いです。
2:設問通りです。
熱負荷に応じて送風量を調整するVAV(Variable Air Volume)方式と対に、熱負荷に応じて送風温度を調整するCAV(Constant Air Volume)があります。CAVは室またはゾーンごとの室温制御が難しいです。
3:外気のエンタルピーが室内空気のエンタルピーよりも低い場合に利用するので、誤りです。
エンタルピーとは、0℃の乾き空気を基準にある任意温度t℃の湿り空気が有する熱量を表します。わかりやすく一言で言うと、エネルギーだと考えてよいので、エンタルピーが低いとは温度が低いと考えるとわかりやすくなると思われます。
4:設問通りです。
エアフローウインドウと同様に、ペリメータ部の温熱環境の向上や省エネルギー等に有効です。
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02
1.設問の通りです。
ペリメータゾーンは建物の外周部分のことで、地階を除く各階の外壁の中心線から水平距離が5m以内の屋内の空間、屋根の直下の階の屋内の空間および外気に接する床の直上の屋内の空間のことです。
2.設問の通りです。
室内の温度制御として
CAV(定風量)方式:室内の吹き出す風量は一定で、吹き出す空気の温度を変えて室温を調整する方式です。
VAV(変風量)方式:室内の吹き出す温度を一定に保ち、吹き出す風量を変えて室温を調整する方式です。
3.設問の記述は誤りです。
外気冷房方式は、中間期(春秋)、冬でも冷房が必要な場合、冷凍機を運転せず、冷房を行う空調方式です。
エンタルピーとは0℃乾き空気を基準として、ある任意温度t℃の湿り空気が有する熱量のことで、簡単に言いますと、内部の熱のことです。
よって外気のエンタルピーが内部空気のエンタルピーより低い時に外気冷房を行います。
4.設問の通りです。
ダブルスキンは、ペリメータ部の温熱環境の向上、省エネルギーに有効です。
似た手法に、エアフローウィンドウがあります。ダブルスキンは外気を利用するのに対して、エアフローウィンドウは内部空気を利用します。
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03
この問題は、空気調和設備に関する問題です。
省エネルギーに関連付けた問題がよく出題されます。しっかり復習しましょう。
正しいです。
ペリメーターゾーンとは、建物の窓際や壁際等で、室温が外部環境に影響されやすいゾーンのことです。
ペリメーターレス化とは、そのペリメーターゾーンの熱負荷を建築的手法と設備的手法を組み合わせて削減することです。
正しいです。
空調のVAV方式とは、吹き出し空気の温度を一定とし、送風量を調整する方式であり、部屋ごとに室温の制御が可能です。
誤りです。
エンタルピーとは、空気がもつ熱含量のことです。
外気冷房とは、外気の熱含量(外気エンタルピー)が室内の熱含量(室内エンタルピー)よりも低い時に、多くの外気量を空調機に取り込み、冷房に利用するものです。
正しいです。
ダブルスキンとは、建築物の外壁の一部、又は、全てをガラスの二重構造で覆う手法であり、その間の空間は外気等を導入するなど、季節に応じて利用できるため、熱負荷の削減や省エネルギーに有効です。
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