一級建築士の過去問
令和元年(2019年)
学科4(構造) 問87

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問題

一級建築士試験 令和元年(2019年) 学科4(構造) 問87 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨構造の接合部に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 梁フランジを通しダイアフラムに突合せ溶接する場合、梁フランジは、通しダイアフラムを構成する鋼板の厚みの内部で溶接しなければならない。
  • 強度の異なる鋼材を突合せ溶接する場合、強度の高いほうの鋼材に対応した溶接材料、溶接条件とすることにより、溶接部の許容応力度は、強度の高いほうの鋼材と同じ許容応力度とすることができる。
  • 高力ボルト摩擦接合において、肌すきが1mm以内であれば、フィラープレートを挿入せず、そのまま高力ボルトを締め付けてもよい。
  • 高力ボルトの最小縁端距離は、一般に、「手動ガス切断縁の場合」より「自動ガス切断縁の場合」のほうが小さい値である。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 正しく、記述の通りです。

ダイアフラムは、柱と梁を一体化させる鋼板です。ダイアフラムの板厚は梁フランジの板厚の2サイズアップが望ましいです。
ダイアフラムと梁フランジを溶接する際には、引っ張り力、圧縮力をきちんと伝達させるために、必ずダイアフラムの板厚内でフランジを溶接します。

2. 誤りです。

強度の異なる鋼材を突合わせ溶接する場合、強度の低い鋼材に対応した溶接材料・条件とすることで安全側の設計になります。

3. 正しく、記述の通りです。

肌すきとは、板厚の差によってできる隙間のことです。高力ボルト摩擦接合において、この肌すきが1mm以下の場合、摩擦力伝達するフィラープレートは不要とすることができます。1mmを超える場合は、フィラープレートは必要になります。

4. 正しく、記述の通りです。

最小縁端距離とは、部材の端部からボルトの中心位置までの確保すべき最小の距離のことです。
自動ガス切断縁の場合の方が手動ガス切断縁よりも精度が高くなるので、最小縁端距離を小さくすることができます。

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02

正解は2です。

1:設問通りです
ダイヤフラムは梁から受ける応力により柱が局部破壊するのを防ぐために設けます。
応力が伝達されるようにダイヤフラム板厚の内部に完全溶け込み溶接を行います。

2:誤りです
強度の異なる鋼材を突合せ溶接する場合の溶接部の許容応力度は溶接される母材の許容応力度のうち小さい方を採用します。

3:設問通りです
肌すきとは高力ボルト接合における板厚の差によっておきる隙間のことをさします。
この肌すきが1mmをこえる場合にはフィラープレートを挿入する必要があります。

4:設問通りです
高力ボルトの最小縁端距離とはボルト孔の中心から材の端までの距離のうち最小のものをさします。
この距離は構造計算を行わない場合、ボルト径や鋼材の縁端の種類に応じた値となります。

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03

1.正。正しい記述です。

2.誤。異種鋼材を突き合わせ溶接する場合、溶接継目ののど断面の許容応力度は、接合される母材の許容応力度のうち、小さいほうの値を採用します。

3.正。正しい記述です。

4.正。高力ボルトで接合される材の最外縁にあるボルト孔の中心から材の端までの距離を縁端距離といい、自動ガス切断とした場合の方が精度がでるため、小さくすることができます。

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