一級建築士の過去問
令和元年(2019年)
学科4(構造) 問97
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問題
一級建築士試験 令和元年(2019年) 学科4(構造) 問97 (訂正依頼・報告はこちら)
木材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 木表は、一般に、木裏に比べて乾燥収縮率が大きいので、木表側に凹に反る性質がある。
- 木材の強度は、一般に、同じ乾燥状態であれば密度が大きいものほど高い。
- 含水率が繊維飽和点以下の木材の乾燥収縮率は、一般に、「年輪の接線方向」より「年輪の半径方向」のほうが大きい。
- 構造用材料の弾性係数は、一般に、気乾状態から含水率が繊維飽和点に達するまでは、含水率が大きくなるにしたがって小さくなる。
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この過去問の解説 (3件)
01
木表は、樹皮の方向側で、乾燥収縮率が大きく、凹の反りが生じます。木裏は、丸太でいう心材方向側です。木表がわに反るという性質は、板材の場合でも角材の場合でも当てはまります。
2. 正しく、記述の通りです。
木材の密度というのは、単位体積あたりの重さのことです。同じ材料であっても、含水率によって重量や寸法も変わってきます。
設問では、一般的に同じ乾燥状態のときの強度を聞いていますので、密度が大きいものほど強度が高いと言えます。
3. 誤りです。
木材には、年輪の接線(板目)方向、年輪の半径方向、幹に沿った繊維方向、の3つの方向があり、その軸方向によって特徴があります。
乾燥収縮率の大きさにおいては、接線方向が最大で、次に半径方向、繊維方向の順となっています。
木材は繊維方向に強度が高いという特性から、木を貼り合わせるなどの加工などにも、繊維の方向が重視されます。
4. 正しく、記述の通りです。
気乾状態とは、木材中の水分率が周囲の湿度とバランスを保っている状態で、含水率約15%の状態を言います。
木材は、水分量が多いほど強度が低下し、繊維飽和点までは弾性係数(ヤング係数)は含水率が大きくなるにしたがって小さくなります。そして、繊維飽和点である含水率約30%を超えると腐朽しやすくなります。一方、伸縮や強度はほぼ一定になります。
繊維飽和点以下では、弾性係数(ヤング係数)は、含水率の低下に伴って向上します。これは乾燥すると硬くなるイメージで理解できます。
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02
1:設問通りです
木表とは辺材の外周部のことをいい、木裏とは辺材と心材の境界部(内周部)を言います。
2:設問通りです
同じ乾燥状態であれば密度(比重)が大きいものほど強度やヤング率が大きくなります。また、辺材より心材の方が強度は高くなります。
3:誤りです
まず年輪とは木材の断面に見えてくる輪っか上の線のことをいいます。
年輪を平面ととらえたときに、
その円対する接線方向を年輪の接線方向といい、
中心から円周に向かって引く線の方向を年輪の半径方向といい、
その平面に対して垂直に引く線の方向を年輪の繊維方向といいます。
これらの木材の乾燥収縮率は繊維飽和点以下だと
接線方向>半径方向>繊維方向となります。
4:設問通りです
含水率が気乾状態(15%程度)から繊維飽和点(30%程度)になるまでは含水率が増すと強度及び弾性係数(ヤング率)は低下します。
飽和点以上ではほぼ一定となります。
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03
2.正。正しい記述です。
3.誤。含水率が繊維飽和点以下の場合、木材の乾燥収縮率の大小関係は、年輪の円周方向>年輪の半径方向>繊維方向となります。
4.正。構造用材料の弾性係数は、強度と同じく繊維飽和点以下の場合、含水率が大きくなるに従って小さくなります。
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