一級建築士の過去問
令和2年(2020年)
学科1(計画) 問6

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問題

一級建築士試験 令和2年(2020年) 学科1(計画) 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

建築物の防災計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 災害時に防災拠点となる庁舎において、仮設修復足場としての利用やガラス落下防止等のために、建築物外周にバルコニーを設ける計画とした。
  • 浸水深さを 5 mと想定した沿岸型の災害拠点建築物において、1・2 階の外壁の大部分をガラスカーテンウォールとして津波被災時には破壊・脱落させ、4 階以上の重要な拠点部分の機能を守る計画とした。
  • 高層の集合住宅に設ける備蓄倉庫は、避難階のほかに、100 住戸ごとに、かつ、いずれの階からも 4 層以内の位置に計画した。
  • 災害時の避難場所の仮設トイレは、全てマンホールトイレとし、避難者 200 人当たり 1 基を目安とする計画とした。

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この過去問の解説 (3件)

01

1[正]
仮設修復足場やガラス落下防止等のために建物外周にバルコニーを設ける計画とすることは適当です。
2[正]
低層部外壁をガラスカーテンウォールとして津波被災時に破壊・脱落させることで建物に作用する圧力を減らすことができます。
3[正]
設問の通りです。
また居住者が利用しやすい位置に設置し、備蓄品を容易に出し入れできる形状とします。
4[誤]
マンホールトイレは下水道管路にあるマンホールの上に簡易な便座やパネルを設け、災害時において迅速にトイレ機能を確保するものです。トイレ1基あたりの使用想定人数は50~100人が目安です。
設問では200人あたり1基とあるため誤りです。

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02

1 [正]
設問の通りです。
災害時の防災拠点となる庁舎において、仮設修復足場としての利用やガラス落下防止のために建築物周囲にバルコニーを設けることは有効です。

2 [正]
設問の通りです。
東日本大震災における津波による鉄骨造建築物の被害では、外壁材が破壊・脱落され流失したものの構造躯体は残存した例が多く見られました。これは、津波到達時に外壁材が早期に流失したことにより、構造躯体に作用する力が減少したことが一因であると考えられています。
1・2階の外壁をカーテンウォールとした事は、外壁材の破壊・脱落による津波荷重低減効果を意図した耐津波設計法です。

3 [正]
設問の通りです。
高層の集合住宅に設ける備蓄倉庫は共用部に面して設け、避難階のほか、100住戸ごとに、かつ、いずれの階からも4層以内の位置に計画します。

4 [誤]
マンホールトイレとは、下水道のマンホールや下水道管に接続する排水設備上に、便器や仕切り施設などを設置する災害時の応急トイレであり、使用想定人数は、一般に、1基当たり50~100人を目安とします。設置する際には、利用しやすいように避難所の居住エリアの近くとし、防犯を考慮して人目に付きやすい場所を選ぶ必要があります。

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03

1.〇
割れたガラスがバルコニー内で収まれば、その下を歩く歩行者の被害をより少なくできます。有名な例の一つにホンダ本社ビルが挙げられます。

2.〇
津波予想高さまで、カーテンウォールとし、津波時に破損すると、津波に抵抗しない構造となり、必要な躯体のみで上部を支えることから、安全度が高まります。

3.〇
設問通りです。学校等であれば、地域の防災拠点となるため、備蓄倉庫を隣接させることが必要となります。

4.×
マンホールトイレ整備・運用のためのガイドラインによると、100人/1~2基が目安とされています。200人の場合、2~4基が必要となります。

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