一級建築士の過去問
令和2年(2020年)
学科3(法規) 問51

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問題

一級建築士試験 令和2年(2020年) 学科3(法規) 問51 (訂正依頼・報告はこちら)

建築物の構造計算に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
  • 鉄筋コンクリート造の建築物において、保有水平耐力計算によって安全性を確かめる場合、構造耐力上主要な部分である柱の主筋の断面積の和は、コンクリートの断面積の 0.8 % 以上としなくてもよい。
  • 鉄骨造の建築物において、許容応力度等計算によって安全性を確かめる場合、国土交通大臣が定める場合においては、構造耐力上主要な部分である構造部材の変形又は振動によって建築物の使用上の支障が起こらないことを所定の方法によって確かめなければならない。
  • 建築物の実況によらないで、基礎の垂直荷重による圧縮力を計算する場合、事務室で、基礎のささえる床の数が 7 のときは、床の積載荷重として採用する数値を 1,300 N/m2 とすることができる。
  • 鉄骨造の建築物において、限界耐力計算によって安全性を確かめる場合、柱以外の構造耐力上主要な部分である鋼材の圧縮材の有効細長比は、250 以下としなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1:設問通りです
令第77条第六号より、鉄筋コンクリート造において柱の主筋比は0.8%としなければなりませんが、保有水平耐力計算によって安全性を確かめる場合(令第81条第2項第一号イ)令第36条第2項第一号かっこ書より令第77条第六号の規定は除外されます。

2:設問通りです
令第82条の6第三号に許容応力度等計算における規定の記載があり設問はこの通りとなっております。

3:設問通りです
基礎の垂直荷重による圧縮力を計算する場合、令第85条第1項、2項により支える床の数により積載荷重の低減を行います。
表より積載荷重は1,800N/m²、低減係数は0.7より
1,800x0.7=1,260→1,300N/m²

4:誤りです
限界耐力計算によって安全性を確かめる場合(令第81条第2項第一号ロ)、耐久性等関係規定(令第36条第1項)を満たす必要がありますが、この中には鉄骨造における柱材以外の圧縮材の有効細長比の規定(令第65条)は含まれておらず、したがってこの規定を満たす必要はありません。

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02

正解は4です。

1:〇

令第77条第六号、保有水平耐力計算によって安全性を確かめる場合、令第36条第2項第一号に列挙する規定に適合する構造方法を用いなければなりません。鉄筋コンクリート造の柱の主筋の断面積の和に関する規定(令77条六号)は適合させなければならない規定から除外されているので、適合させなくてよいです。

2:〇

令第82条の6第一号、許容応力度等計算は令82条各号、令82条の2及び令82条の4に定めるところによります。したがって、令82条四号より、国土交通大臣が定める場合においては、構造耐力上主要な部分である構造部材の変形又は振動によって建築物の使用上の支障が起こらないことを所定の方法によって確かめなければなりません。

3:〇

基礎の垂直荷重による圧縮力を計算する場合、令第85条第1項、2項により、支える床の数により積載荷重の低減を行います。

令第85条第1項、2項中の表より、積載荷重は1,800N/m²、ささえる床の数が7なので、減らすために乗ずべき数は0.7となります。

したがって、1,800 × 0.7 = 1,260 となり、1,300 N/m² を採用することができます。

4:✕

限界耐力計算によって安全性を確かめる場合(令第81条第2項第一号ロ)、耐久性等関係規定(令第36条第1項)に適合する構造方法を用いなければなりません。

鉄骨造における柱材以外の圧縮材の有効細長比の規定(令第65条))は、耐久性等関係規定に該当しないので、適合させなくてよいです。

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03

この問題は建築基準法における構造計算に関する問題です。

水平保有耐力計算や許容応力度計算等の構造計算の概要をしっかり理解することがポイントとなります。

選択肢1. 鉄筋コンクリート造の建築物において、保有水平耐力計算によって安全性を確かめる場合、構造耐力上主要な部分である柱の主筋の断面積の和は、コンクリートの断面積の 0.8 % 以上としなくてもよい。

正しいです。

令第77条第六号により、柱の主筋の断面積の和はコンクリートの断面積の0.8%以上としなければなりませんが、令第36条第2項第一号により保有水平耐力計算により建築物の安全性を確かめる場合、令第77条第六号の規定は除外されます。

選択肢2. 鉄骨造の建築物において、許容応力度等計算によって安全性を確かめる場合、国土交通大臣が定める場合においては、構造耐力上主要な部分である構造部材の変形又は振動によって建築物の使用上の支障が起こらないことを所定の方法によって確かめなければならない。

正しいです。

令第82条の6第一号、令第82条第四号により、許容応力度計算によって建築物の安全性を確かめる場合、構造耐力上主要な部分である構造部材の変形又は振動によって建築物の使用上の支障が起こらないことを所定の方法によって確かめなければなりません。

選択肢3. 建築物の実況によらないで、基礎の垂直荷重による圧縮力を計算する場合、事務室で、基礎のささえる床の数が 7 のときは、床の積載荷重として採用する数値を 1,300 N/m2 とすることができる。

正しいです。

令第85条第一項により、基礎の垂直荷重による圧縮力を計算する場合、事務室の積載荷重は1,800N/㎡となりますが、ささえる床の数が7の場合一定の数値まで減らすことができます。

(1,800N/㎡ × 0.7 = 1,260N/㎡)

よって、積載荷重は1,300N/㎡とすることができます。

選択肢4. 鉄骨造の建築物において、限界耐力計算によって安全性を確かめる場合、柱以外の構造耐力上主要な部分である鋼材の圧縮材の有効細長比は、250 以下としなければならない。

誤りです。

令第36条第2項第二号により、限界耐力計算によって建築物の安全性を確かめる場合、耐久性等関係規定に適合させなければなりませんが、鋼材の圧縮材の細長比の規定(令第65条)は耐久性等関係規定に含まれていないため、令第65条の規定は適用されません。

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