一級建築士の過去問
令和2年(2020年)
学科4(構造) 問73
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問題
一級建築士試験 令和2年(2020年) 学科4(構造) 問73 (訂正依頼・報告はこちら)
図のような柱脚の支持条件が異なる 3 つのラーメンに水平荷重Pが作用する場合、柱A、柱B及び柱Cに生じるせん断力をそれぞれQA、QB及びQCとしたとき、それらの大小関係として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、全ての柱は等質等断面の弾性部材とし、梁は剛体とする。
- QA > QB > QC
- QA = QC > QB
- QB > QA = QC
- QC > QB > QA
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この過去問の解説 (3件)
01
柱の水平剛性Kとせん断力Qには以下の関係式があります。
Q=K×δ
したがってせん断力Qの大小関係を水平剛性によって算定していきます。
柱脚がピン接合の柱の水平剛性(K1とする)は
K1=3EI/l³
柱脚が剛接合の柱の水平剛性(K2とする)は
K2=12EI/l³
(A)それぞれピン接合の柱より
K左:K右=1:1でPは等分されます。
QA=P/2
(B)ピン接合、剛接合の柱より
K左:K右=1:4でPは分担されます。
QB=P/5
(C)それぞれ剛接合の柱より
K左:K右=1:1でPは等分されます。
QC=P/2
したがってQA=QC>QB
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02
1)剛体の梁をもつラーメンが水平力を受けた時、Q = K × δ の関係が成り立ちます。
ここで、ラーメン構造の δ は同じ値であるので、Q = K の比較をします。
柱Aはそれぞれピン接合の柱なので、水平荷重Pが左右の柱に等分されます。
QA = P/2 ・・・①
柱Cはそれぞれ剛接合の柱なので、水平荷重Pが左右の柱に等分されます。
K左:K右 = 1:1 でPは等分されます。
QC = P/2 ・・・②
この時点で、選択枝は2か3に絞られます。
2)長さh、曲げ剛性EIの柱において
・両端固定の場合:K = 12EI / h3
・一端ピン他固定の場合:K = 3EI / h3
したがって、ラーメン(B)における柱Bおよび柱2の水平剛性KB、K2は、
KB = 3EI / h3
K2 = 12EI / h3
これらにより、両柱における負担せん断力の比は、
QB:QC = KB:K2 = 3EI / h3:12EI / h3 = 3:12 = 1:4
よって、QB = 1 / (1+4) × P = P/5 ・・・③
①〜③より柱A、柱B、柱Cに生じるせん断力の大小は、QA = QC > QB となります。
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03
この問題は支持条件が異なる3つのラーメンの柱に作用するせん断力の大小関係を求める計算問題です。
せん断力(Q) = 水平剛性(K) × 変位(δ)
の関係を利用することがポイントとなります。
【柱A】
柱右側(柱A)に作用するせん断力をQA、柱左側に作用するせん断力をQ1とすると、
柱右側と柱左側はピン接合のため、QA:Q1 = 1:1 という関係が成りたちます。
水平荷重Pが作用する場合、QA = P/2 となります。
【柱B】
柱右側(柱B)に作用するせん断力をQB、柱左側に作用するせん断力をQ2とすると、
柱右側はピン接合のため、水平剛性(KB) = 3EI/h3
柱左側は固定端のため、水平剛性(K2) = 12EI/h3
変位(δ)は柱右側と柱左側で等しいため、
QB:Q2 = 3EI/h3:12EI/h3 = 1:4
水平荷重Pが作用する場合、QB = P/5 となります。
【柱C】
柱右側(柱C)に作用するせん断力をQC、柱左側に作用するせん断力をQ3とすると、
柱右側と柱左側は固定端のため、QC:Q3 = 1:1 という関係が成りたちます。
水平荷重Pが作用する場合、QC = P/2 となります。
よって、QA:QB:QC = P/2:P/5:P/2 = 5:2:5 となり、
せん断力の大小関係は、QA = QC > QB
となります。
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